ポンディシェリ

ポンディシェリは、インドの東海岸、タミル・ナードゥ州に隣接するポンディシェリ連邦直轄地域の首府です。この地は、かつてフランスの植民地であり、17世紀から18世紀にかけてはフランス領インドの中心地として栄えました。その後も、イギリス領インドの中にありながら、フランスの非軍事的な植民地として存続しました。

ポンディシェリ連邦直轄地域の境界線は、かつての国境線をそのまま引き継いでいますが、フランスが半世紀以上かけて村落単位で植民地を拡大したため、複雑に入り組んだ飛地が多数存在しています。現在でも、タミル語、英語と並んでフランス語が使われており、フランス極東学院研究センターなどのフランスの研究機関も設置されています。また、この地域には古代ローマ人の居留地跡であるポドゥケー遺跡（アリカメードゥ）があり、ローマ金貨などの出土品が確認されています。

地名

ポンディシェリの地名は、複数の言語で様々な表記があります。日本語では、フランス語読みに近い「ポンディシェリ」と、タミル語読みに近い「プドゥッチェーリ」が用いられます。

タミル語: பாண்டிச்சேரி (ポンディシェリ), புதுச்சேரி (プドゥッチェーリ)
ヒンディー語: पॉण्डिचेरी (ポンディシェリ), पुदुचेरी (プドゥチェリ)
英語: Pondicherry, Puducherry
フランス語: Pondichéry, Puducherry

2006年に、公式のタミル語表記は「புதுச்சேரி (Puducherry)」、英語・フランス語表記も「Puducherry」に改名されました。それ以前の公式タミル語表記は、フランス語読みの「பாண்டிச்சேரி (Pondicherry /paːɳɖit͡ɕːeːɾi/, パーンディッチェーリ)」でした。地元では略して「パーンディ（பாண்டி）」と呼ばれることが多いです。

この地名は、元々タミル語の「പുതുച്ചോരി (Puducherry /pud̪ut͡ɕːeːɾi/, 新しい町)」が起源で、これがフランス語に音写され「Poudichéry」となりました。現在フランス語では「Pondichéry」と呼ばれていますが、これは「Poudichéry」の「u」が「n」に誤写されたものが由来です。インド国内で、フランス語話者の多いポンディシェリ以外の地域では、この「Pondichéry」という名称はほとんど通じません。英語では「Pondicherry」または「Pondicherry」と呼ばれ、日本の地図などではこの表記が一般的です。

歴史

ポンディシェリの歴史は、以下のように推移しました。

1673年: フランス東インド会社が地元の領主からこの地を獲得。
1693年: 大同盟戦争により、オランダ東インド会社が占領。
1697年: ライスワイク条約によりフランスに返還。
1761年: 七年戦争中にイギリス軍が占領。
1763年: パリ条約によりフランスに返還。
1793年: フランス革命戦争中にイギリス軍が再び占領。
1814年: ウィーン条約によりフランスに返還。
1954年: インドに返還。
1963年: ポンディシェリ連邦直轄地域（ポンディシェリ、マーヒ、ヤーナム、カーライッカールを含む）が成立。

経済

(詳細な情報が提供されていないため、省略します。)

気候

ポンディシェリの気候は、タミル・ナードゥ州の沿岸部と似ており、ケッペンの気候区分ではサバナ気候（熱帯湿潤乾燥気候）に分類されます。夏季は比較的乾燥した4月から6月上旬と、雷雨が多く湿度が高い6月から9月に分かれます。この時期の平均最高気温は36°C (97°F)で、時には41°C (106°F)に達することもあります。最低気温は28–32°C (82–90°F)前後です。年間降水量の大部分は、10月から12月にかけて降ります。10月中旬から北東モンスーンが始まり、年間平均降水量は1,355ミリメートル（53インチ）です。冬は最高気温が30°C (86°F)と温暖で、最低気温は18–20°C (64–68°F)程度まで下がることもあります。

脚注

(情報が提供されていないため、省略します。)

関連項目

小説『パイの物語』: ポンディシェリを南仏のリヴィエラのように描いた作品。
映画『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』: 上記の小説を原作とした映画。
ポール・バラス: フランス革命期の政治家で、若い頃にポンディシェリから第二次マイソール戦争に従軍した経験を持つ。

外部リンク

* 世界飛び地領土研究会（旧フランス領ポンディシェリ） - ウェイバックマシン（2003年4月10日アーカイブ分）

もう一度検索