カッパーベルト州

カッパーベルト州

概要

カッパーベルト州は、アフリカ大陸南部に位置するザンビア共和国の中部に広がる州の一つです。その名称は、州全域が世界的に有名な銅鉱山地帯「カッパーベルト」の一部であることに由来しており、主要な産業が銅鉱石の採掘と精錬であることを明確に示しています。

地理的な面積は31,328平方キロメートルと、国内の州の中ではルサカ州に次いで2番目に小さい規模です。しかし、人口においては対照的に、ルサカ州に次ぐ第2位の多さを誇り、2016年の推計人口は約242万人に達しました。この人口規模に対し、2016年の人口密度は約77.3人/km²となっています。州の行政の中心、すなわち州都はンドラに置かれています。

地理

カッパーベルト州は、ザンビアの中央部に位置し、その領域は銅を豊富に含む地質帯「カッパーベルト」の中心部を形成しています。この地理的特性から、州全体にわたり大規模な銅鉱山が存在し、ザンビア経済において極めて重要な役割を果たしています。隣接する地域は以下の通りです。

北から東にかけて：コンゴ民主共和国の上カタンガ州
南：ザンビアの中央州
西：ザンビアの北西州

人口

カッパーベルト州の人口は近年着実に増加傾向にあります。過去の主な人口推移は以下の通りです。

1980年8月25日: 1,251,178人
1990年8月20日: 1,458,459人
2000年10月20日: 1,581,121人
2010年10月16日: 1,972,317人
2016年7月1日: 2,420,700人

州内には複数の主要都市があり、多くの住民が集中しています。2016年時点の主な都市人口は以下の通りです。

キトウェ: 647,800人
ンドラ (州都): 540,900人
チンゴラ: 227,900人
ムフリラ: 175,000人
ルアンシャ: 144,500人

この他、2010年時点の人口データとして、チリラボンブウェ (77,818人)、カルルシ (51,863人)、チャンビシ (24,152人) などがあります。

行政区画

カッパーベルト州は、以下の10の行政地区によって構成されています。

カルルシ地区 (Kalulushi District)
キトウェ地区 (Kitwe District)
チリラボンブウェ地区 (Chililabombwe District)
チンゴラ地区 (Chingola District)
マサイティ地区 (Masaiti District)
ムフリラ地区 (Mufulira District)
ムポングウェ地区 (Mpongwe District)
ルアンシャ地区 (Luanshya District)
ルフワニャマ地区 (Lufwanyama District)
* ンドラ地区 (Ndola District)

経済

州の経済活動の中心は、その名の通り銅の採掘と精錬業です。州内には多くの大規模鉱山が存在し、特にチャンビシ鉱山などが有名です。これらの鉱山で働く労働者が多数集積することから、カッパーベルト州はザンビア国内でも特に都市化が進んだ地域の一つとされています。

この地域的な特性として、労働組合が極めて強固な基盤を持ち、社会や政治に大きな影響力を持っています。特に1990年代初頭のザンビアにおける民主化プロセスにおいては、カッパーベルト州の労働組合指導者であったフレデリック・チルバ氏が主導する形で、国内で最も活発な民主化運動が展開されました。その結果、チルバ氏はザンビアの第二代大統領に就任しています。

また、カッパーベルト州は温暖な気候と比較的肥沃な土地にも恵まれており、農業においても大きな潜在能力を持つと考えられています。しかし、長年にわたり労働力や投資が鉱業部門に集中してきたため、農地の開発や農業生産の拡大は十分に進んでいない状況にあります。

教育・自然

教育機関としては、カッパーベルト大学が州内に設置されており、学術研究や人材育成の拠点となっています。

自然環境については、チェンベ鳥類保護区のように多様な鳥類が生息する地域や、チムフンシ動物孤児院のような野生動物の保護施設が存在し、鉱業中心の地域ながらも自然保護への取り組みが見られます。

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