カッラーラ

カッラーラ：大理石の都、芸術と文化の融合

イタリア共和国トスカーナ州に位置するカッラーラは、人口約6万人の基礎自治体です。古くから大理石の産地として栄え、特に「カッラーラ・ビアンコ」と呼ばれる白大理石は世界的に有名です。ミケランジェロの傑作であるダビデ像も、この地の大理石を用いて制作されました。

名称と地理

日本語表記では「カラーラ」や「カルラーラ」と表記されることもあります。カッラーラはアプアーネ・アルプス山脈のふもとに広がり、フィヴィッツァーノ、フォズディノーヴォ、マッサなどの自治体と隣接しています。ラ・スペツィア県に属するオルトノーヴォやサルザーナにも近接しています。イタリアの気候区分ではzona D, 1601 GGに分類され、地震リスクは低くなっています。

歴史と経済

15世紀から19世紀にかけては、マッサと共同で公国を形成していました。カッラーラの経済は、大理石の生産に大きく依存しています。アプアーネ・アルプスから産出される高品質な大理石は、古代ローマの神殿からルネサンス期の彫刻、そして現代建築物まで、世界中の数々の建造物や芸術作品に使用されてきました。ロンドンのマーブル・アーチやアブダビのシェイク・ザーイド・モスクも、カッラーラ産大理石を用いた代表的な例です。

カッラーラ近郊のコロンナータという集落では、大理石の桶を用いて作られる「ラルド・ディ・コロンナータ」という豚の背脂加工品が名産品として知られています。

文化とスポーツ

街には、12世紀の大聖堂や、現在は美術アカデミーとなっている16世紀のドゥカーレ宮殿などの歴史的建造物が残されています。サッカーのプロクラブであるカッラレーゼ・カルチョも本拠地を置いており、セリエC（3部リーグ）に所属しています。

行政と国際交流

カッラーラには、アヴェンツァ、ベディッツァーノ、ベルジョラなど複数の分離集落があります。また、ドイツのインゴルシュタット、アルメニアのエレバン、フランスのグラースなど、世界各国と姉妹都市提携を結んでいます。

カッラーラゆかりの人物

カッラーラ出身の著名人として、サッカー選手ではクリスティアーノ・ザネッティ、ジョルジョ・キナーリャ、ジャンルイジ・ブッフォン、フェデリコ・ベルナルデスキなどが知られています。また、彫刻家である緒方良信、So Izumi、中村真木氏など、日本の芸術家もカッラーラとゆかりがあります。織物作家の和泉美奈子氏も、カッラーラと関わりを持っています。

まとめ

カッラーラは、大理石という恵まれた資源と豊かな歴史、そして活気あふれる文化が調和した魅力的な都市です。芸術、スポーツ、国際交流など、多様な側面を持つカッラーラの魅力を、これからも多くの人々が体感していくことでしょう。

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