カデーナ・セール

カデーナ・セール（Cadena SER）

カデーナ・セールは、スペイン・マドリードに拠点を置く、スペインを代表するラジオ局です。

特色

スペイン全土で放送を聴取することが可能で、スペイン語に加えて、カタルーニャ語、ガリシア語、バスク語など、複数の言語で番組を放送しています。「SER」は、スペインラジオ放送協会（Sociedad Española de Radiodifusión）の略称です。

カデーナ・セールは、一般紙の『エル・パイス』、スポーツ紙の『アス』、経済紙の『シンコ・ディアス』、専門テレビ局のプリサTVなどと共に、メディア・コングロマリットであるプリサグループの傘下にあります。プリサグループは、スペインにおける主要なメディアグループの一つであり、カデーナ・セールはその中でも重要な位置を占めています。

歴史

黎明期

1924年11月14日、ラジオ・バルセロナが設立されました。これは、ミゲル・プリモ・デ・リベラ将軍から公式に放送許可を得た、スペイン初のラジオ局です。翌1925年にはラジオ・マドリードが設立され、その後、ラジオ・セビリア、ラジオ・ビルバオ、ラジオ・サラマンカなども設立されました。

これらのラジオ局は、1927年までにウニオン・ラジオとして統合され、マドリードに主要な番組製作センターが置かれました。1931年から1939年のスペイン第二共和政時代には、ウニオン・ラジオがスペイン唯一の全国ラジオ局として、重要な役割を果たしました。

1940年9月25日、ウニオン・ラジオの所有権は、新設されたスペインラジオ放送協会に譲渡され、ラジオ局はカデーナ・セールに改称されました。この改称は、スペインのラジオ放送の歴史における大きな転換点となりました。

民主化後

1975年、スペイン政府はカデーナ・セールの株式の25%を取得しました。同年11月20日のフランシスコ・フランコ死去後、特に1981年2月23日のクーデター未遂事件（23-F）の際には、カデーナ・セールは重要な役割を果たしました。ラジオ放送を通じて、国民に冷静な情報を提供し、民主主義を守るために貢献しました。

1984年には、プリサグループが残りの株式の大半を取得し、カデーナ・セールはプリサグループの傘下に入りました。フェリペ・ゴンサレス首相時代の1992年には、スペイン政府が所有していた株式が民間に売却され、実質的にはプリサグループがその株式を取得しました。

2004年3月11日に発生したマドリード列車爆破テロ事件の際にも、カデーナ・セールは重要な役割を果たしました。事件に関する情報を迅速かつ正確に伝え、市民の不安を和らげるために尽力しました。

カデーナ・セールは、スペインの歴史と社会において、常に重要な役割を果たしてきたラジオ局です。ニュース、エンターテイメント、スポーツなど、幅広い分野の番組を提供し、スペイン国民の生活に深く根ざしています。

外部リンク

公式ウェブサイト)

もう一度検索