カナダの政党

カナダの政党

カナダの政党制は、長らく自由党と進歩保守党による二大政党制が特徴でした。しかし、1990年代以降、地域主義を背景とした政党の台頭により、多党制の様相も強まっています。

歴史的変遷

二大政党制の時代

1945年から1988年までの期間、自由党と進歩保守党が議席の8割以上を占め、政権を交互に担ってきました。この時代は、カナダが典型的な二大政党制の国として位置づけられていました。

地域主義の台頭

1993年の総選挙で、進歩保守党が歴史的な大敗を喫し、ケベック州の地域政党であるブロック・ケベコワと、西部諸州を地盤とするカナダ改革党が躍進しました。これにより、地域主義を背景とした多党制的性格が強まりました。

保守党の再編と新民主党の躍進

2003年末、自由党に対抗するため、カナダ同盟と進歩保守党が合同してカナダ保守党を結成しました。2011年の総選挙では、保守党が過半数を制し、新民主党が最大野党となりました。しかし、2015年の総選挙では自由党が政権を奪回し、再び二大政党制に戻る形となりました。

地域主義の影響

カナダの政党制が大きく変化した要因として、地域主義が強く関係しています。ケベック連合はケベック州のみで候補者を擁立する地域政党であり、改革党は西部諸州で強い支持を集めました。自由党は、オンタリオ州やケベック州で強い支持を受けていましたが、西部諸州の支持基盤は弱いという特徴がありました。

主な政党

現在議席を有する政党

カナダ保守党 (CPC): 西部諸州のアングロフォンを中心に支持を集める保守政党。
新民主党 (NDP): 社会民主主義政党。2011年には最大野党に躍進したが、その後は再び第三党に。
自由党 (LIB): ケベック州で強い支持を得る自由主義政党。長らく政権を担ってきたが、2011年には第三党に転落。2015年に政権を奪回。
ブロック・ケベコワ (BQ): ケベック州の主権確立を党是とする地域政党。
カナダ緑の党 (GRN): 環境保護政党。

歴史的政党

進歩保守党: 自由党と共に二大政党の一翼を担ったが、1993年に大敗。2003年末にカナダ同盟と合同し、カナダ保守党となった。
協同連邦党: 社会主義政党。1961年にカナダ労働同盟と共に新民主党を結成。
カナダ改革党: 西部諸州の保守系アングロフォンから強い支持を集めた右派政党。2000年1月にカナダ同盟へと党名変更。
カナダ同盟: 改革党を前身として2000年1月に結成。2003年12月、進歩保守党と合同してカナダ保守党を結成。

まとめ

カナダの政党制は、二大政党制を基盤としつつも、地域主義の影響を受けやすいという特徴があります。近年では、保守党と自由党が交互に政権を担う傾向にありますが、新民主党や地域政党の動向も注目されます。

参考文献

岩崎正洋編著『政党システムの理論と実際』（おうふう）

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