カナダ政府

カナダ政府の概要

カナダ政府は、カナダ憲法、連邦裁判所の判決、および不文法によって規定される立憲君主制の政府です。国家元首はカナダ国王であり、現在はチャールズ3世が務めています。しかし、実際の統治権は国王に独占されているわけではなく、議院内閣制が採用されています。国王は、行政権、立法権、司法権の源泉ですが、その権限は総督を通じて行使されます。

行政権

カナダの行政権は、形式的には国王にありますが、実際には総督が国王の代理として権限を行使します。総督は首相の進言に基づいて任命され、任期は約5年です。首相は、下院で多数の議席を占める政党のリーダーが務め、内閣を組織します。内閣は、各省庁を所轄する閣内相によって構成され、政府の政策を立案・実行します。カナダ連邦政府には、以下の主要な行政機関があります。

農業・農産食料省
カナダ文化遺産省
国家先住民関係・北方開発省
雇用・社会開発省
環境・気候変動省
財務省
水産海洋省
国際関係省
保健省
移民・難民・市民権省
先住民サービス省
イノベーション・科学経済開発省
社会基盤庁
司法省
国防省
天然資源省
公安省
公共事業・調達省
運輸省
退役軍人省
女性・ジェンダー平等省
枢密院事務局
* 財務委員会事務局

立法権

カナダの立法権は、カナダ議会にあります。カナダ議会は、国王（君主）と、二つの議院、すなわち庶民院（下院）と元老院（上院）で構成されています。庶民院は選挙で選出された議員によって構成され、実際の行政権は下院で多数議席を確保した政党によって決定されることが多いです。元老院は首相によって任命された議員によって構成され、法案の審議などを行います。

司法権

カナダの司法権は、カナダ最高裁判所が最高位にあります。最高裁判所は、9名の判事によって構成され、各州や準州の下級裁判所の判決や決定を審議します。判事は総督によって任命され、主席法官が率いています。

連邦制

カナダは連邦制を採用しており、連邦政府と州政府がそれぞれ権限を分担しています。連邦政府は、国防、外交、通貨などの国家全体に関わる事項を管轄し、州政府は、教育、医療、社会福祉などの地域的な事項を管轄します。各州には、カナダ連邦政府の代表として副総督が設置されており、州首相と州内閣が副総督に進言する制度となっています。カナダでは、ケベック州の特殊な事情などにより、地方分権が進んでいます。

カナダにおける「政府」という言葉の使用法

カナダ英語では、「Government」という言葉は、国を統治する機関全体と、現在の政治的なリーダーシップの両方を指します。連邦、州、自治体のいずれの政府を指すこともあり、原住民の政府を指すこともあります。この記事では、カナダ連邦国家の構造を示すものとして政府を扱います。

カナダ政府は、立憲君主制、議院内閣制、連邦制という複雑な要素が組み合わさったシステムであり、その運営はカナダの歴史と文化に深く根ざしています。

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