カノン (2016年の映画)

映画『カノン』

2016年10月1日に公開された日本映画『カノン』は、雑賀俊朗監督がメガホンを取り、登坂恵里香が脚本を担当した作品です。この映画は、家族の絆、過去の秘密、そして心の再生を描いたヒューマンドラマです。

作品概要

あらすじ

物語は、祖母の葬儀で久しぶりに再会した三姉妹が、亡くなったと聞かされていた母親が実は生きていることを知るところから始まります。母親は父親の死後、女手一つで三姉妹を育てていましたが、アルコール依存症となり入院を余儀なくされ、その後、消息を絶っていました。母親の居場所を突き止めた三姉妹は、施設で暮らす母親のもとへ向かいます。しかし、アルコール性の若年性認知症を患った母親は、娘たちのことを覚えていませんでした。失望と怒りを抱えながらも、三姉妹は母親の足跡をたどるうちに、母親が自分たちを捨てた本当の理由を知ることになります。

キャスト

岸本藍：比嘉愛未
岸本家の次女で、富山で小学校教師をしています。母親の消息を突き止めるために積極的に行動します。
宮沢(岸本)紫：ミムラ
岸本家の長女で、東京で専業主婦をしています。夫と2人の子供と幸せな家庭を築いているように見えますが、実際は夫のモラハラに苦しんでいます。
岸本茜：佐々木希
岸本家の三女で、金沢にある実家の料亭で若女将をしています。自由に生きている姉たちを羨ましく思い、ストレスから酒に手を出すようになります。
原島美津子：鈴木保奈美
三姉妹の母親。夫の死後、女手一つで娘たちを育てようとしますが、夫を失った悲しみからアルコール依存症となり入退院を繰り返します。
岸本辰子：多岐川裕美
三姉妹の祖母で、金沢の料亭の女将でした。絵ばかり描いている息子とその妻である美津子を疎ましく思いながらも、孫娘たちを溺愛しています。
小出聡：桐山漣
藍の婚約者で市役所職員。藍を優しくサポートします。
宮沢和彦：長谷川朝晴
紫の夫。外では良い顔をしていますが、家ではモラハラ夫として紫に暴言を吐き、子供を虐待します。
小出妙子：古村比呂
聡の母。地元で喫茶店を経営しています。
新井澄子：島田陽子
　蒲鉾店の経営者で、辰子と親交があり、その縁で美津子を雇用します。美津子のアルコール依存症を理解し従業員に周知していました。

スタッフ

監督： 雑賀俊朗
脚本： 登坂恵里香
エグゼクティブプロデューサー： 及川次雄
プロデューサー： 藤田修、河野優、岡本圭三、葛西美保
Coプロデューサー： 藤原慎二、Johnny・B、平山広幸
アソシエイトプロデューサー： 櫻庭寛、村田徹
撮影： 出口朝彦
照明： 金子拓矢
録音： 田中博信
美術： 津留啓亮
編集： 小原聡子
音楽： 嶋崎宏
主題歌： 渡梓「セピア」

受賞歴

『カノン』は、国内外の映画祭で高い評価を受けました。

第7回北京国際映画祭
コンペティション部門「天壇賞」日本代表として公式入選
鈴木保奈美が授賞式プレゼンターに抜擢
第20回上海国際映画祭
公式部門、日本映画週間、ゴールドクレイン賞、最優秀作品賞、最優秀監督賞ノミネート
最優秀助演女優賞（鈴木保奈美）受賞
審査員特別女優賞（佐々木希）受賞
第26回金鶏百花映画祭
国際映画部門で最優秀賞（作品賞、監督賞、女優賞）の三冠受賞
シルクロード映画祭
日本映画週間に招待

製作・配給

製作： 「カノン」製作委員会
企画・制作プロダクション： サーフ・エンターテイメント
配給： KADOKAWA

外部リンク

* 映画『カノン』オフィシャルサイト


『カノン』は、複雑な家族関係とそれぞれの心の葛藤を丁寧に描き出し、観る者の心に深く響く作品です。過去の出来事が現在の関係にどのように影響を与えるのか、そして、家族の絆とは何かを考えさせられます。

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