島田陽子

島田陽子（しまだ ようこ）

1953年5月17日に熊本県熊本市で生まれた日本の女優、島田陽子は、2022年7月25日に69歳で亡くなりました。彼女は、かつては島田楊子という芸名でも知られ、晩年には映画製作プロダクションエクシード株式会社を設立するなど、多彩な活動を展開しました。駒沢学園女子高等学校を卒業した後、3歳から始めたクラシックバレエを通じて、芸術の世界に触れてきました。8歳の時、家族と共に東京へ移住し、劇団若草に入団することで、演技への道を歩み始めます。

島田は1970年、テレビドラマ『おさな妻』の第11話で女優デビューを果たし、その直後の『続・氷点』での演技が高視聴率を記録したことで一躍人気女優となりました。1970年代に突入すると、良家の子女役として多くの視聴者に親しまれ、清純派のイメージを持つ女優としての地位を確立します。特に、1974年の『われら青春!』ではヒロインを演じ、その人気はしばらく続きました。

1980年に放送されたアメリカのテレビドラマ『将軍 SHŌGUN』では、日本人女性として初めてゴールデングローブ賞を受賞し、国際的な女優としての評価を得ました。この成功を背景に、1981年にはアメリカでの日系アメリカ人女性マラソン選手を描いた作品『リトルチャンピオン』にも主演し、その影響力を広げていきました。

私生活では、1988年に内田裕也との不倫が報じられ、その後の経済的なトラブルが取り沙汰されました。内田との関係は複雑で、彼が離婚を申し出るも障害に直面するなど、波乱に満ちたものでした。また、1992年にはヘアヌード写真集を出版し、大きな話題となり、55万部を超えるベストセラーとなりました。

島田はその後、2011年にはAV（イメージビデオ）にも出演するなど、一定の話題を振りまいてきましたが、2011年に離婚し、晩年は闘病生活を送ることになりました。2019年には、自身の健康問題が報じられるようになり、2022年7月には大腸がんによる多臓器不全で亡くなるまでの約3年間、病気と闘っていました。最後の公の場は2021年12月に行われた角川映画祭で、そこでのトークイベントでは、自分の出演作である「犬神家の一族」についての思い出を語る姿が印象的でした。

彼女の死後、遺体は長らく渋谷区で保管されることになり、近親者とは疎遠だったことが影響し、葬儀の手配も難航しました。しかし、最終的には知人が遺骨を引き取り、彼女が生前に希望していた墓地に納められることになりました。

島田陽子はその生涯を通じて、日本のエンターテインメント界に多大な影響を与えた女優として、また個性的な存在感を持つ魅力的な人間として、多くの人々の記憶に残ることでしょう。

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