カビンダ

カビンダ州は、アンゴラの北西部に位置する飛び地であり、コンゴ共和国とコンゴ民主共和国に挟まれています。面積は約7290平方キロメートル、州都はカビンダです。この地域は、豊かな石油資源に恵まれており、アンゴラ経済において重要な役割を果たしています。

地理と行政区分

カビンダ州は、アンゴラの他の地域とは陸続きではなく、地理的に隔絶されています。州内は、以下の4つのムニシピオ（基礎自治体）に区分されています。

ベリーズ (Belize)
ブコザウ (Buco-Zau)
カビンダ (Cabinda)
カコンゴ (Cacongo)

経済

カビンダ州の経済は、沖合で産出される石油に大きく依存しています。この地域は、世界的に見ても重要な石油生産地域であり、アンゴラの主要な収入源となっています。石油産業の発展により、カビンダ州はアンゴラ内戦の被害を比較的免れることができました。しかし、石油資源への過度な依存は、他の産業の発展を阻害しているという側面もあります。

石油以外にも、カビンダ州では熱帯林からの木材輸出が行われており、年間約8万トンの木材が輸出されています。また、コーヒーやココアなどの農産物も生産されており、リン鉱石も産出されます。アブラヤシの栽培も行われていますが、石油産業に比べると規模は小さいです。

分離独立運動

カビンダ州では、1960年代から分離独立運動が続いています。これは、宗主国であったポルトガルの植民地支配が弱まった時期に始まりました。カビンダ解放戦線（FLEC）という反政府ゲリラ組織が結成され、カビンダ共和国としての独立を宣言し、外国人の誘拐やゲリラ活動を繰り返してきました。2003年以降、FLECの幹部が相次いで政府軍に投降し、組織は弱体化しましたが、現在も政府との和平交渉には応じず、小規模なゲリラ活動を続けています。

2010年には、サッカートーゴ代表がカビンダで襲撃され、3人が死亡するという痛ましい事件も発生しました。この事件は、カビンダの分離独立運動が依然として不安定な状況にあることを示しています。

文化

カビンダを舞台とした文学作品として、ペペテラの小説『マヨンベ』があります。この小説は、カビンダの自然や文化、人々の生活を描いています。

関連項目

カビンダ解放戦線(FLEC)
カビンダ共和国

カビンダ州は、豊かな資源と複雑な歴史を持つ地域です。石油資源の開発が進む一方で、分離独立運動や社会的な問題も抱えています。今後の平和的な発展が期待されます。

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