カプリ (競走馬)

カプリ：愛ダービーと英セントレジャーを制した名馬の軌跡

カプリは、アイルランドで生まれたサラブレッド競走馬である。2017年、クラシック路線で鮮烈な活躍を見せ、競走馬としての名を広く知らしめた。

デビューは2歳7月。2戦目で初勝利を飾ると、その後3連勝でベレスフォードステークスを制覇し、重賞初制覇を果たすという華々しいスタートを切った。しかし、3歳シーズンを迎えた2017年は、G3競走で4着、3着と結果を残せず、期待値を大きく下回る走りを見せる。クラシックレースの英ダービーでは、エイダン・オブライエン厩舎から6頭もの馬が出走する中、6着と低迷した。

しかし、続く愛ダービーでは一変。9頭立てのレースで4番人気に甘んじていたカプリは、レース終盤でペースメーカーを交わして先頭に躍り出る。フランケル産駒のクラックスマンや、同厩舎の英ダービー馬ウイングスオブイーグルスの猛追を振り切り、見事GI競走初制覇を成し遂げた。この勝利は、カプリの潜在能力の高さを改めて証明するものとなった。

秋には英セントレジャーに挑戦。1番人気に応え、ライアン・ムーア騎手とのコンビでGI2勝目を挙げた。愛ダービーと英セントレジャーの両レース制覇は、名馬ニジンスキー以来47年ぶりという快挙であった。しかし、その輝かしい活躍とは裏腹に、凱旋門賞では17着と大敗を喫し、実力差を痛感させられた。

2018年、カプリはGIII競走で勝利してシーズンをスタートさせるも、その後外傷の影響によりコロネーションカップを回避。フォワ賞で復帰するも、6頭立てのレースで5着に終わり、復調には至らなかった。前年大敗した凱旋門賞には11番人気と低評価ながら出走し、5着と健闘を見せる。さらに中1週で英チャンピオンステークスに挑戦するも、4着に敗れた。そして、ジャパンカップに参戦するも、超高速馬場での速い流れに対応できず11着に終わるという結果に終わった。

2019年シーズンも現役を続行するも勝ち星に恵まれず、同年11月8日、競走生活に幕を閉じた。引退後はアイルランドのグランジスタッドで障害競走用の種牡馬として第二のキャリアをスタートさせた。カプリの競走成績は、Irish Racing.com、netkeiba.com、JBISサーチ、Racing Postなどのサイトで確認できる。

カプリの競走生活は、華々しい勝利と苦杯を味わった敗戦が織りなすドラマチックなものであった。愛ダービーと英セントレジャー制覇という輝かしい実績は、競走馬としての能力の高さを証明している。しかし、凱旋門賞やジャパンカップでの結果からは、その能力を最大限に発揮することがいかに難しいかを改めて認識させられる。種牡馬としての活躍にも期待がかかるが、競走馬カプリの記憶は、多くの競馬ファンに長く語り継がれることだろう。

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