カプリコン

カプリコン

『カプリコン』は、真鍋譲治による漫画作品であり、それを原作としたアニメ作品でもあります。1988年1月号から1990年7月号にかけて「月刊ウィングス」で連載され、同誌の看板作品の一つとして人気を博しました。

物語

主人公の少年タクは、時空の歪みによって異世界スラフレーゼへと迷い込みます。そこは、ヤッピ族と呼ばれる知性を持つドラゴンと、言葉を操る獣たちが共生する世界でした。しかし、その世界は虎の姿をした将軍ゾルバの軍事政権下にあり、ヤッピ族は弾圧され、絶滅の危機に瀕していました。

タクは、ヤッピ族の末裔である少女モーナやその仲間たちと出会い、行動を共にすることになります。スラフレーゼでは、地球のことをカプリコンと呼ぶことを知ります。ゾルバは、次元の道を開く「無限アンカー」と呼ばれる装置を発動させ、スラフレーゼとカプリコン（地球）を繋ぎ、地球への軍事侵攻を企てていました。

アンカーが発動すれば、二つの世界は戦火に巻き込まれてしまいます。モーナとタクは、アンカーの発動を阻止するため、仲間たちと共に立ち上がります。果たして、二人はゾルバの野望を阻止することができるのでしょうか？

書誌情報

新書館ウィングスコミックスより全5巻が刊行されています。

1988年8月10日発行 ISBN 4-403-61163-X
1989年3月10日発行 ISBN 4-403-61185-0
1989年9月10日発行 ISBN 4-403-61203-2
1990年3月25日発行 ISBN 4-403-61222-9
* 1990年9月25日発行 ISBN 4-403-61236-9

アニメ

1991年にOVAとして発売されました（発売：大陸書房、販売：キングレコード）。上映時間は48分です。

アウベック×アニメアールによって制作された御厨さと美原作の『ギャラガ』の商業的成功を受け、その次作として企画されました。しかし、企画進行の遅れから、当初予定されていた『ギャラガ』の充実したアニメアール・作画陣をスライドさせることが困難となり、十分なスタッフの確保や制作体制を敷くことなく制作が開始されました。

当初は監督に予定されていた窪秀巳によって絵コンテが作成されていましたが、諸事情により降板を余儀なくされました。作画監督の谷口守泰は、仕事の受注にあたり、窪降板後の監督の任命権を条件とし、アウベックはそれを快諾しました。

谷口は、サンライズ制作の『機甲猟兵メロウリンク』や『シティーハンター』で仕事をした経験があり、当時若手だった今西隆志と渡辺信一郎の才能を高く評価していました。そこで、今西を監督に、渡辺を脚本（クレジットは絵コンテ）として招聘することを決定しました。演出の二人は、『機動戦士ガンダム0083』の仕事と並行して演出を行いました。メカ作画監督の吉田徹も同様でした。

原作者である真鍋譲治の監修のもと、今西と渡辺によって新たに絵コンテが作成されましたが、元になった窪の絵コンテの完成度が高く、随所にその形跡が見られます。しかし、撮影を目前に、韓国から空輸された大量のセル画が空港で紛失するというアクシデントが発生します。

この絶望的な状況の中、今西と谷口は尽力し、紛失したカットをアフレコ用に撮影されていたレイアウトをビデオプリンターで印刷、拡大コピーし、アウベックの原画スタッフが不在だったため、原画経験のない動画スタッフがコピーから原画を起こしました。そして、谷口が正月休みを返上して作画監督作業を行うことで、どうにか作品を完成させることができました。

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