御厨さと美

御厨 さと美の生涯と業績

御厨さと美（みくりや さとみ）、1948年5月20日に長崎県で生まれました。彼は早稲田大学第一文学部に在籍していましたが中退し、その後フリーエディターを経て漫画家としての道を歩み始めます。彼の本名は御厨哲美で、1980年代から90年代にかけて日本の漫画シーンで独自の地位を築いていきました。

漫画家としてのデビューと代表作

1970年、講談社から刊行された『タイガーマスク』6巻に併載された作品『黒いつるぎ』により、御厨は漫画家デビューを果たしました。続く1972年、作品『JL73』で第9回ビッグコミック賞の佳作1席を受賞し、青年漫画ジャンルに本格的に進出しました。御厨の代表作には、『裂けた旅券（パスポート）』や『ノーラ』シリーズなどがあり、特に『ノーラ』におけるSF要素と力強いキャラクター描写は高く評価されています。

御厨の作品は、ダークな要素を持つSF作品が多く、意図的にコミカルなものを除けば、シリアスなテーマが顕著です。また、彼は飛行機に対する強い興味をもっており、航空機やメカの描写においても抜群の才能を示しました。

キャリアの転機

1970年代前半には、小学館の学年別学習雑誌『小学六年生』の「ハロー6・ワイドショー」でも活動しており、「みく・さとみ」という愛称で登場するデフォルメ自画像も世に知られることとなりました。その後も彼は多岐にわたるメディアに参加し、アニメ映画『火の鳥2772 愛のコスモゾーン』（1980年）ではメカニカルデザインを手掛け、さらには脚本にも携わりました。1990年にはアメリカでパイロット免許を取得した女性パイロットとの交流があり、彼の作品には（『ルサルカは還らない』に）その影響が色濃く反映されています。

御厨さと美の後半生

しかし、執筆活動中に書痙を患ったことが原因で、彼は一時期活動を休止せざるを得ませんでしたが、1997年に『ルサルカは還らない』を発表し再起を果たします。その後、2001年には日本工学院八王子専門学校の講師に就任し、若い才能の育成にも貢献しました。

生涯の最期

彼は2022年12月14日に亡くなるまで執筆活動を続け、故郷である長崎の文化にも寄与していました。彼の生涯は74年で、長い間病気と闘っていたと言われています。御厨の作品は、彼の独特な視点と深いテーマ性により、今もなお多くの人々に愛され、影響を与え続けています。彼の業績は日本の漫画界において色あせることなく、今後も新たな創作者たちにインスピレーションを与えることでしょう。

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