カマラサウルス

カマラサウルス：ジュラ紀後期の巨大植物食恐竜

カマラサウルス(Camarasaurus)は、約1億5500万年前から1億4500万年前のジュラ紀後期に、北アメリカ大陸で繁栄した草食性の竜脚類恐竜です。学名は「空洞のあるトカゲ」を意味し、その名の通り、骨格に多くの空洞を持つことが特徴です。

解剖学的特徴

カマラサウルスは全長9～18メートル、体重20トンに達したと推定されています。同時代の竜脚類と比べるとそれほど巨大ではありませんでしたが、この適度なサイズが繁栄を支えた要因の一つと考えられています。

頭部: 比較的大きく、幅広い平らな頭部は、多くの穴が開いた特徴的な形状をしています。頑丈な顎には、長さ19センチメートルのヘラ状の歯が規則正しく並び、硬い植物を効率的に摂食できたことを示唆しています。大きな鼻孔は、高温の気候下で脳を冷却する役割を果たしていた可能性があります。

歯と消化: ディプロドクスのような繊細な歯を持つ竜脚類と異なり、カマラサウルスは硬い植物を食べることに適した丈夫な歯を持っていました。鶏のように胃石を飲み込み、消化を助けていたと考えられています。モリソン累層では、非常に磨かれた胃石が多数発見されており、この説を裏付ける証拠となっています。

四肢と骨格: 5本の指を持つ巨大な足には、内側の指に鋭い鉤爪がありました。前肢は後肢より短く、肩はほぼ水平でわずかに後傾していました。脊椎骨には多くの空洞があり、軽量化に役立っていたと考えられます。また、ゾウのような大型動物に見られる、かかと部分の海綿状組織も持っていました。首と尾は、他の竜脚類に比べて比較的短めでした。骨盤付近の脊椎が肥大化していたのは、かつては「第二の脳」と考えられていましたが、現在は大きな神経叢であったと考えられています。

行動と生態

化石の発見から、カマラサウルスは群れで生活していたと考えられています。乾燥した環境を好み、現在のワイオミング州からニューメキシコ州にかけて広がる地域に生息していたと推定されています。卵は、他の恐竜のように巣ではなく、列状に産み落とされていたことが確認されており、子育てを行わなかった可能性が高いです。寿命については、100年に達したという説もあります。

発見の歴史

カマラサウルスの最初の発見は1877年、コロラド州でOramel W. Lucasによって数個の脊椎骨が発見されたことに始まります。エドワード・ドリンカー・コープが化石を入手し、命名・記載を行いました。1925年には、チャールズ・W・ギルモアによって最初の完全な骨格（若い個体）が復元されました。

モリソン累層からは、多くのカマラサウルスの化石が発見されており、コロラド州、ニューメキシコ州、ユタ州、ワイオミング州などで完全な骨格が発見されています。同層からは、ディプロドクス、アパトサウルス、ブラキオサウルスなども発見されていますが、カマラサウルスは最も多くの化石が発見されている恐竜の一つです。

分類

種: C. supremus、C. grandis、C. lentus、C. lewisiなど複数の種が知られています。

分類上の位置: カマラサウルスは、竜脚形類、竜脚類、新竜脚類、ディプロドクス様類に属し、カマラサウルス科を構成します。カマラサウルス科には、カマラサウルスとアラゴサウルスが含まれます。

その他

アパトサウルス（ブロントサウルスとしても知られる）の初期の復元では、頭骨が発見されていなかったため、カマラサウルスの頭骨が参考に用いられていました。現在では、アパトサウルスの独自の頭骨が復元されています。また、恐竜ロボット「プレオ」は、カマラサウルスの生後1週間の仔をモデルにしています。

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