カミーラ・バジェーホ

カミーラ・バジェーホ：チリ学生運動の象徴

カミーラ・アントニア・アマランタ・バジェーホ・ダウリング（Camila Antonia Amaranta Vallejo Dowling）は、1988年4月28日、チリのサンティアゴで生まれました。地理学者であり、2011年のチリ学生運動において、その中心的な役割を果たした人物として知られています。チリ共産党の青年組織（Juventudes Comunistas de Chile）に所属し、学生運動を主導しました。

学生から運動のリーダーへ

バジェーホの両親は共産党員であり、彼女は幼少期をマクル区やラ・フロリーダ区で過ごし、私立学校ライマプで学びました。2006年、チリ大学建築都市計画学部に入学し、地理学を専攻。在学中に左翼系の学生たちと出会い、政治活動を始めます。2008年にはチリ大学の学生連盟（FECH）で相談役を務め、2010年には女性として初めてFECHの総裁に選出されました。

2011年チリ学生運動での活躍

2011年、チリで大規模な学生による抗議運動が発生しました。バジェーホは、カトリック大学のジョルジオ・ジャクソン、サンティアゴ大学のカミーロ・バジェステーロスと共に、この抗議運動のスポークスパーソン、そしてリーダーの一人として活躍し、世界中から注目を集めることになります。同年10月には、他のチリ人学生と共にヨーロッパを訪問し、国際連合教育科学文化機関（ユネスコ）の会合でチリの学生運動について発表。知識人のステファヌ・エセルやエドガール・モランとも交流しました。

2011年12月、チリ大学の学生連盟選挙で総裁への再選を目指しましたが、ガブリエル・ボリッチ率いる独立左翼学生リストに敗北。FECHの規則に従い、副総裁となりました。

国際的な注目

2011年8月には、ドイツの新聞『ディー・ツァイト』の表紙を飾り、彼女に関する記事が掲載されました。同年12月には、イギリスの新聞『ガーディアン』の読者によるオンライン投票で「パーソン・オブ・ザ・イヤー」に選ばれるなど、国際的な注目を集めました。

論争と批判

2011年には、SNSを通じて殺害予告を受けるなど、脅迫に晒されました。ツイッターで住所を公開された際には、警察の保護を求めています。また、2012年4月にキューバを訪問し、フィデル・カストロと会談した際の発言が、国内外で大きな議論を呼びました。

プライベート

2011年からは、FECHの元総裁であるフリオ・サルミエントと交際しており、2013年4月には妊娠が報じられています。

カミーラ・バジェーホは、チリの学生運動を牽引したリーダーとして、その功績と影響は計り知れません。彼女の活動は、チリ社会における教育問題や社会格差に対する意識を高め、政治的な議論を活発化させる上で重要な役割を果たしました。

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