カムループス

カムループス

カムループスは、カナダのブリティッシュコロンビア州南部、トンプソン・ニコラ地域に位置する都市です。人口は約9万8千人（2021年）で、トンプソン川とカムループス湖の合流地点という地理的な特徴を持っています。

歴史

この地はもともと、先住民のシュスワップ族（セクウェップム）が居住していました。1811年にヨーロッパ人が初めて訪れ、翌年には毛皮交易の拠点となりました。1821年にはハドソン湾会社が交易を管理するようになります。1860年代にはゴールドラッシュ、1880年代にはカナダ太平洋鉄道の建設によって都市は大きく発展し、1893年に市制が施行されました。

「カムループス」という地名はシュスワップ族の言葉で「水の集まる場所」を意味します。シュスワップ族の言語は、現在もこの地域の先住民の間で広く使われています。

この都市の郊外には、1890年から1969年まで、先住民の子どもたちを強制的に収容した寄宿学校「カムループス・インディアン・レジデンシャル・スクール」がありました。2021年には、この学校の跡地から215人もの子どもの遺骨が発見され、社会に大きな衝撃を与えました。

気候

カムループスは内陸性気候で、乾燥しており、年間を通して晴天の日が多いのが特徴です。夏は日中の気温が非常に高くなり、7月の平均最高気温は28.9℃と、カナダの中でも特に暑い地域となります。しかし、朝晩は涼しく、湿度も低いため過ごしやすい気候です。

カムループス空港で観測された過去最高気温は、2021年6月29日の47.3℃で、これは2021年の熱波によって記録されたカナダ歴代4位の記録です。冬は比較的温暖ですが、北極からの寒気の影響で、気温が-20℃以下まで下がることもあり、年間で-10℃以下となる日数は平均19.9日です。過去最低気温は1969年1月29日に記録された-37.2℃です。近年、冬季の温暖化が急速に進んでおり、1月の平均気温は1961年から1990年の平均で-4.8℃だったものが、1981年から2010年の平均では-2.8℃と、2℃も上昇しています。

経済

カムループスは第一次産業が盛んで、パルプや製材業、ベニヤ板の生産が行われています。また、セメントや銅の鉱山も存在します。第三次産業では、ブリティッシュコロンビア州の宝くじを扱う会社や関連会社などが地域経済を支えています。

交通

カムループスにはカムループス空港があり、国際空港への拡張が検討されていますが、具体的な計画はまだ出ていません。また、トランスカナダハイウェイの重要な拠点であり、バンクーバーから東に向かう際に最初に通る大きな街です。

姉妹都市

宇治市（日本、京都府）

外部リンク

カムループス市公式サイト（英語）
* カムループス観光局（英語）

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