カメラ毎日

『カメラ毎日』は、毎日新聞社が1954年から1985年まで刊行していたカメラ・写真専門雑誌です。創刊時には、著名な写真家ロバート・キャパを日本に招待しました。しかし、キャパはその後、ライフ誌の取材で仏領インドシナへ赴き、地雷によって命を落とすという悲劇に見舞われました。

1985年4月号をもって休刊となり、通巻379号を数えます。特に、山岸章二が編集長を務めた1970年代は、森山大道を積極的に紹介するなど、日本の写真史に大きな足跡を残しました。

1950年代は、カメラ雑誌の黎明期であり、「アサヒ[[カメラ]]」や「日本カメラ」に加えて、「サンケイカメラ」など多くの雑誌が創刊され、空前のブームとなっていました。『カメラ毎日』もその一つとして創刊されましたが、当初は他誌との明確な違いは見られませんでした。しかし、1960年代に入ると、ライトパブリシティなどの広告代理店の写真部に所属する若手広告写真家（横須賀功光、高梨豊、立木義浩、篠山紀信、沢渡朔など）の作品を積極的に掲載するようになり、独自の路線を歩み始めます。

その流れの中で、1965年4月号には立木義浩の「舌出し天使」が掲載されました。全56ページに及ぶこの作品は、構成を和田誠、詩を寺山修司、解説を草森紳一が担当し、まるで写真集のような豪華な構成でした。他にも、1966年1月号では高梨豊の「東京人」、1965年11月号では奈良原一高の「静止した時間」など、日本写真史に残る30ページ以上の大特集が組まれました。

その後、『カメラ毎日』は掲載する写真の傾向を大きく変化させ、森山大道や中平卓馬の「アレ・ブレ・ボケ」写真、牛腸茂雄らの「コンポラ写真」などを掲載するようになります。柳沢信、新倉孝雄、須田一政、鈴木清なども、この時期に活躍しました。

これらの「アレ・ブレ・ボケ」や「コンポラ写真」は、アマチュア写真家にも大きな影響を与えました。1977年1月号からは自由公募ページ「アルバム」欄が設けられ、鬼海弘雄などの才能がここから輩出されました。

また、『カメラ毎日』は別冊としてヌード写真集『NEW NUDE』シリーズを発行しました。『NEW NUDE』(1983年)、『NEW NUDE2』(1985年)、『NEW NUDE3』(1986年)の3冊が刊行されましたが、『NEW NUDE』と『NEW NUDE2』は警視庁から掲載写真のわいせつ性について警告を受けました。そして、『NEW NUDE3』ではついにわいせつ図画販売容疑で編集者が書類送検され、罰金20万円の支払い命令を受ける事態となりました。

関連項目

コンポラ写真
アサヒ[[カメラ]]
* 日本カメラ

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