高梨豊

高梨豊（1935年2月6日 - ）は、日本の写真家であり、東京造形大学の元教授として後進の育成にも尽力しました。

来歴

東京都出身の高梨は、1957年に日本大学芸術学部を卒業後、写真家 八木治のスタジオに就職しました。その後、桑沢デザイン研究所にて大辻清司に師事し、1961年に卒業。日本デザインセンターに入社しました。1968年からは、写真同人誌「プロヴォーク」に参加し、1970年の活動休止までその一翼を担いました。1970年に日本デザインセンターを退社し、フリーの写真家として独立。1980年からは東京造形大学で教鞭を執り、助教授、教授を経て、2000年に客員教授となりました。

高梨は、赤瀬川原平、秋山祐徳太子とともに「ライカ同盟」というグループのメンバーでもありました。

受賞歴

高梨の卓越した才能は、数々の賞によっても証明されています。

1964年：第8回日本写真批評家協会新人賞（「オツカレサマ」）
1967年：第5回パリ青年ビエンナーレ写真部門大賞
1985年：第34回日本写真協会賞年度賞（「東京人1978-1983」）
1991年：第3回「写真の会」賞（「面目躍如」）
1993年：第9回東川賞国内作家賞（「初國」他）
1994年：第43回日本写真協会賞年度賞（「初國」）
2012年：第31回土門拳賞（「IN'」）

写真集

高梨は、数多くの写真集を出版しており、その作品は時代や社会、都市、人間に対する深い洞察に満ちています。

『都市へ』1974年
『東京人』1974年
『町』1977年
『新おくのほそ道』1982年
『東京人 1978〜1983』1983年
『高倉健写真集 映像25』1983年
『都の貌』1989年
『面目躍如人 物写真クロニクル　1964～1989』1990年
『初国』1993年
『高梨豊　日本の写真家33』1998年
『地名論』2000年
『ライカな眼』2002年
『ノスタルジア』2004年
* 『囲市』2007年

展覧会

2009年には、東京国立近代美術館で大規模な個展『高梨豊　光のフィールドノート』展が開催されました。この展覧会では、最初期の作品から最新作まで、15のシリーズが紹介され、高梨の長年にわたる活動の軌跡を辿ることができました。これは、東京国立近代美術館における日本人写真家の個展としては最大規模のものでした。

展示されたシリーズは、「SOMETHIN' ELSE」、「オツカレサマ」、「東京人」、「都市へ」、「町」、「東京人1978-1983」、「都市のテキスト　新宿」、「初國」、「都の貌」、「next」、「地名論」、「ノスタルジア」、「WINDSCAPE」、「囲市（かこいまち）」、「silver passin'」の全15シリーズです。

また、展覧会期間中には、高梨豊と田中純（東京大学大学院准教授）との対談も開催され、写真に対する高梨の考えや制作の背景について深く掘り下げられました。

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