カモッラ

カモッラについて

カモッラ（Camorra）は、イタリアの有名なマフィア組織のひとつで、主にカンパニア州のナポリを中心に活動しています。この組織は、アンドランゲタやコーサ・ノストラとともに「イタリア四大マフィア」として知られており、その勢力は現在約130の団体、6300人にのぼると言われています。

カモッラの名称の由来

カモッラという言葉の由来にはさまざまな説が存在しますが、確実に決まったものはないのが現状です。一説には「ガムッラ」という服装から派生したとも言われ、また別の説ではスペイン語で「口論」を意味する「カモッラ」が関係しているともされています。さらに、クマールという賭博の名から変化したという意見も存在します。この組織のメンバーは「カモリスタ」と呼ばれ、下級と高級に分かれています。下級は泥棒や乞食からなり、高級は主に恐喝や強請りを生業としています。

組織の誕生と成長

カモッラの起源は明確ではありませんが、一般的には19世紀初頭に両シチリア王国の支配下でナポリの監獄内にて発生したと考えられています。初期のナポリの監獄は無法地帯であり、カモリスタは他の受刑者から物を売りつけたり、金銭を取り上げたりしていました。そのうえ、カモラは1830年頃から地元政府の役人を抱き込み、監視の目から逃れていくつかの地域を支配するようになりました。信頼される政府が存在しなかったため、カモッラは事実上の地下政府となり、治安維持の役割を果たしていました。

1860年までにはその影響力は非常に強大となり、ナポリ市政が安定のためにカモッラに治安維持を委託するほどの勢力を誇っていました。当時のカモリスタは派手な服装と飾り帯を身にまとうことで周囲の注目を集めていましたが、イタリア統一後はその力が増し続けました。

法の追及と影響

20世紀初頭、カモッラは賭博場や売春宿、盗賊、そして密輸業者などを通じて巨額の利益を上げていました。しかし、1927年にはファシズム政府による大規模な取り締まりが行われ、4000人以上が逮捕されました。これにより組織は大きな打撃を受け、一時活動が縮小しました。カモッラは、コーサ・ノストラに比べて土地を所有する力が弱かったため、社会への影響も限定的でした。

戦時中とその後

第二次世界大戦中、カモッラはアメリカのマフィアと協力し、闇市を支配することで息を吹き返しました。当時、カモッラはシチリアのマフィアから軽蔑されていましたが、戦後は徐々に協力関係を築き、麻薬の取引にも手を伸ばすようになりました。

現代におけるカモッラの状況

現在のカモッラは一枚岩ではなく、さまざまなファミリーが各々の思惑で活動しています。社会の競争や内部の報復合戦により、弱体化が指摘されています。特に、アメリカ合衆国のニューオーリンズにも進出し、港湾労働者の中で広がりを見せましたが、警察による捜査でいくつかの大規模な逮捕も行われています。ナポリ市民は、これまで恐れていたカモッラに対抗するべく監視団体を作るなどの動きを見せ始めました。特にゴミ収集業においては強い影響を持ち、環境問題にも波及しています。

最後に

カモッラの歴史は長く、幾度となく変遷を遂げてきましたが、その今後の行く末は不透明です。不正行為や社会問題が絶えない中、カモッラという組織がどのように変化していくのか、見守る必要があります。

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