カラカス地下鉄

カラカス地下鉄：ベネズエラの首都を支える地下鉄

カラカス地下鉄は、ベネズエラの首都カラカスを走る重要な交通機関です。4路線、総延長52.4kmの路線網を持ち、市民の足として活躍しています。地下鉄を運営するカラカス地下鉄公社は、地下鉄だけでなく、メトロバスという路線バスも運行しています。

歴史

カラカスに地下鉄を建設する計画は、1930年代から存在していました。しかし、長らく実現には至りませんでした。1960年代に入ると、人口増加と自家用車の普及により、カラカスの道路は深刻な渋滞に悩まされるようになります。そこで、1968年に地下鉄建設計画が具体化し、工事が始まりました。

1983年1月2日、ついに1号線が開業しました。最初の区間は、プロパトリア駅からラ・オジャーダ駅までの8駅です。同年3月には、ラ・オジャーダ駅からチャカイート駅までの7駅が延伸開業し、路線が拡大しました。この工事には、ベネズエラとアメリカ合衆国の多くの企業が参加し、車両はフランスで製造されました。

1号線建設中の1977年には、カピトリオ駅から南へ向かう2号線の建設が決定しました。2号線は、ラス・アドフンタス駅、ソーロヒコ駅、ラパス駅を結ぶ三叉線として建設され、1987年に開業しました。翌1988年には、ラパス駅からエル・シレンシオ駅まで延伸され、エル・シレンシオ駅とカピトリオ駅が接続したことで、1号線と2号線がつながりました。

1994年には、プラサ・ベネスエラ駅からエル・バジェ駅までの3号線が開業しました。プラサ・ベネスエラ駅では、1号線と接続しています。

2006年には、プラサ・ベネスエラ駅近くに新設されたソナレンタル駅と2号線のカプチノス駅を結ぶ4号線が開業しました。

近年では、2010年にカラカス地下鉄公社が運営するロープウェイ「メトロケーブル」が、2013年には新交通システム「カブレトレン・ボリバリアノ」が開通し、カラカスの都市交通は多様化しています。

路線

1号線: プロパトリア駅 - パロ・ベルデ駅
2号線: ラス・アドフンタス駅 - エル・シレンシオ駅
3号線: プラサ・ベネスエラ駅 - ラ・リンコナーダ駅
4号線: ソナレンタル駅 - カプチノス駅

地下鉄は、1号線・2号線・4号線が7両編成、3号線が6両編成で運行されています。

車両

アルストム社とCAF社の車両が導入されており、それぞれ7両編成と6両編成があります。

メトロバス

カラカス地下鉄は、地下鉄駅と接続する路線バス「メトロバス」を運行しています。メトロバスは、整備されたバス停を持ち、路線図を公開しています。運賃は地下鉄との連絡乗車券のみが設定されており、バス単独の運賃はありません。

利用状況

地下鉄・メトロバスともに、午前5時30分から午後11時まで運行されています（2004年時点）。地下鉄は数分おきに運行されますが、メトロバスはバスの定員が埋まるまで発車しません。

地下鉄の電車は冷房完備で、駅構内および車内での飲食は禁止されています。また、駅構内に公衆便所は設置されていません。

2006年6月30日時点の運賃は、距離に関わらず1回券が500ボリバル、10回券が4500ボリバルでした。

カラカス地下鉄は、これからもカラカスの人々の生活を支える重要な交通機関として、発展を続けていくでしょう。

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