カラショーク

カラショーク：ノルウェー、フィンマルク県の基礎自治体

カラショーク（Karasjok）は、ノルウェー北部のフィンマルク県に位置する基礎自治体で、行政の中心はカラショーク村です。面積は5,453平方キロメートル、人口は2024年時点で2,565人となっています。

地名について

カラショークは、ノルウェー語名であり、北部サーミ語では「Kárášjohka」と表記します。基礎自治体としての正式名称は、ノルウェー語と北部サーミ語で定められており、併記する際は「北部サーミ語 - ノルウェー語」の順に表記する必要があります。「カラショーク」はサーミ語の「カラショーカ」に由来し、「ヨーカ」は川を意味しますが、前半部分の意味は未だ解明されていません。

1866年にキストラン（現在のポルサンゲル）から分離して成立しました。1990年には「カラショーカ＝カラショーク」と改称され、サーミ語名を取り入れた国内で3番目の基礎自治体となりましたが、2005年に再びカラショーク、カラショーカのどちらでも良いことになりました。

紋章

1986年6月27日に制定された紋章には、燃え上がる3つの炎が描かれています。これは、サーミ人にとって火が非常に重要な存在であることを象徴しています。火は暖を与え、厳しい冬を乗り越えるための支えとなりますが、同時にテントや森林を焼き尽くす脅威でもあります。3つの炎は、この地に住むサーミ人、ノルウェー人、クヴェン人の3つの民族を表しています。

地理

カラショークは、ターナ川上流の盆地に位置し、アナリョーカ川やカラショーカ川といったターナ川の支流が流れています。フィンマルク高原が大部分を占め、マツ林やカバ林が広がっています。フィンランド最北の村カリガスニエミと隣接しており、ラクセルヴとターナを結ぶ欧州ルート6号線が通っています。最寄りの空港はラクセルヴ空港です。

気候

大陸性気候に近く、比較的乾燥したノルウェー東北部特有の海岸性気候です。1886年1月1日には、国内史上最低気温となる-51.4℃を記録しました。夏の史上最高気温は32.4℃です。1999年1月にも公式記録で-51.2℃を記録しましたが、非公式には-56℃に達した地点もありました。月間平均気温の最高記録は1941年7月の17.9℃、最低記録は1966年2月の-27.1℃です。

鳥類

この地域特有の鳥類が生息しており、内陸部の高原地帯にはオガワコマドリなど、低木林を好む鳥が多く見られます。ターナ川の上流部は渡り鳥の重要なルートとなっています。

経済

人口の大部分はカラショーク村に集中しています。村にはサーミ議会やサーミ放送局、サーミ人による協会がいくつか存在します。住民の約8割がサーミ語を話し、サーミ人とノルウェー人が共存する社会を形成しています。

観光

サーミ議会、サーミ博物館、1807年に建てられた教会などが主要な観光スポットです。サーミ議会は1989年に国王オーラヴ5世の命により設立され、カウトケイノ出身のオレ・ヘンリク・マガ（1947年 - ）が初代議長を務めました。県内最古のルーテル派教会は、第二次世界大戦の戦禍を免れた唯一の教会であり、木造でサーミ様式を取り入れた建築が特徴です。また、サーミの伝統工芸品も製作されています。

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