カリニャン

カリニャン：赤ワイン用ブドウ品種

カリニャンは、スペイン北東部のアラゴン州サラゴサ県カリニェナを原産とする赤ワイン用のブドウ品種（黒ブドウ）です。12世紀頃にフランスやイタリアなどに持ち込まれ、現在では南北アメリカ、アフリカ大陸の地中海沿岸、南アフリカ、オーストラリアなど、世界の広い地域で栽培されています。

名称

カリニャンはフランスでの呼称であり、別名として、イタリアではカリニャーノ、スペインではカリニェナ、マスエロ（スペイン・ラ・リオハ州）、ボバレ・グランデ、カリニェナ、サムソー/サムソ（スペイン・カタルーニャ州）といった名前で呼ばれています。

栽培地域

スペインやフランスの「南仏」と呼ばれるラングドック＝ルシヨン、プロヴァンス、ローヌ地方南部などで多く栽培されています。ブドウの中でも収穫期が最も遅い晩生種であるため、冬の到来が遅い温暖な地域に適しています。気候が合う場所では収穫量も多く、栽培しやすい品種です。

ワインの特徴

カリニャンから造られるワインは、なめし革、スパイシー、鉄やインクのような香りのフレーバーを持つと言われています。しかし、香りはそれほど強くありません。酸味や渋みが強い、刺激的な風味のワインになるため、AOCで認められている地域でも、使用量を制限しているところが多くあります。シラー種など、酸味の少ない品種にブレンドされることが多いです。要素が多いワインであるにもかかわらず、比較的若い段階から飲むことができると言われています。

ラングドック＝ルシヨン地方では、グルナッシュに次いで多く栽培されています。カリニャンという品種名を表示したワインは、フランスでもその他の国でもほとんどありませんが、ヴァン・ド・ペイ・ドックの中には、この品種の古木から収穫されたブドウを使った、比較的優れたワインが存在します。

関連項目

ブドウ品種の一覧
ワイン用ブドウ品種の一覧

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