カリフォルニア・スイート

『カリフォルニア・スイート』は、1978年に公開されたアメリカのコメディ映画です。脚本は、数々の名作を手掛けたニール・サイモンが担当しました。

物語の舞台は、カリフォルニア州ハリウッドにある豪華ホテル。ビバリーヒルズ・ホテルが外観の撮影に使用されましたが、内部の多くはスタジオに作られた精巧なセットで撮影されています。このホテルを舞台に、4組の宿泊客が織りなす人間模様が描かれています。

各エピソードは独立した物語でありながら、ホテルという空間を通じて緩やかにつながっています。

ニューヨークからの訪問者

ニューヨークで仕事に没頭するハンナ・ウォーレン（ジェーン・フォンダ）は、ロサンゼルスで脚本家として成功した元夫ビル（アラン・アルダ）の元で暮らす娘を取り戻すため、ロサンゼルスへと向かいます。ホテルで再会した二人は、娘の将来について話し合いますが、離婚から9年経っても互いへの皮肉が止まらず、なかなか建設的な話し合いができません。

ロンドンからの訪問者

イギリス人女優のダイアナ・バリー（マギー・スミス）は、低迷していたキャリアを挽回するチャンスとして、イギリス映画で初めてアカデミー主演女優賞にノミネートされます。しかし、受賞の可能性は低いと感じています。古美術商を営む夫シドニー・コクラン（マイケル・ケイン）と共に授賞式に出席するためロサンゼルスへ向かいますが、シドニーがゲイであること、そして彼との結婚が「便宜的なもの」であることに苦悩します。授賞式が近づくにつれ、彼女の心境は希望、不安、そして絶望へと揺れ動きます。

フィラデルフィアからの訪問者

フィラデルフィアからロサンゼルスに到着した保守的な実業家マーヴィン・マイケルズ（ウォルター・マッソー）は、空港で兄のハリー（ハーブ・エデルマン）に出迎えられます。ハリーは到着したばかりのマーヴィンに女性をあてがおうとしますが、マーヴィンは困惑します。翌朝、酔って眠っていたマーヴィンが目を覚ますと、ベッドには兄からのプレゼントである売春婦のバニーがいました。そこに妻のミリーが到着することになり、マーヴィンは自分がしてしまった無分別な行動の痕跡を隠そうとします。

シカゴからの訪問者

医師のチョーンシー・ガンプ（リチャード・プライヤー）とその妻ローラ、そしてウィリス・パナマ医師（ビル・コスビー）と妻ベッティナは、待ちに待った休暇をロサンゼルスで過ごすことにしました。しかし、空港で借りたレンタカーがオーバーヒートしたことから、二人の医師は口論を始めます。さらに、ホテルに到着すると、予約していたはずの部屋が一部屋しかないことが判明します。ガンプ夫妻は、トイレが故障して水浸しになっているシングルルームに泊まることになり、不運が続きます。そんな中、二組の夫婦はテニスの試合をすることになりますが、それが大怪我につながってしまいます。

この映画は、豪華なホテルを舞台に、様々な人間模様をコミカルに描いています。マギー・スミスは、アカデミー助演女優賞を受賞しました。

監督はハーバート・ロス、音楽はクロード・ボリングが担当しました。

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