カリフォルニア・メモリアル・スタジアム

カリフォルニア・メモリアル・スタジアム（California Memorial Stadium）は、アメリカ合衆国カリフォルニア州にある著名な高等教育機関、カリフォルニア大学バークレー校の広大なキャンパス敷地内に位置する屋外型フットボールスタジアムです。

このスタジアムは、NCAA（全米大学体育協会）のフットボール部門においてディビジョンI FBSに属し、パシフィック12カンファレンスで活動する大学代表チーム、「カル・ゴールデンベアーズ」の本拠地として機能しています。シーズン中には、多くの学生や地元ファンが集まり、熱気あふれる試合が繰り広げられます。

スタジアムの建設は1923年に遡ります。開場当初の収容能力は71,799人と、非常に大規模な施設でした。この収容人数は2010年頃まで維持されていましたが、施設の老朽化や構造上の問題に対応するため、大規模な改修工事が実施されました。2012年に完了したリフォームを経て、現在の座席数は63,186席となっています。改修により収容人数は減少しましたが、現代的な安全基準や設備が導入され、より快適な観戦環境が整備されました。

カリフォルニア・メモリアル・スタジアムは、その規模においても特筆すべき存在です。リフォーム後も、北カリフォルニア地域におけるスタジアムとしては最大級の座席数を誇ります。また、その歴史的価値も高く評価されており、2006年にはアメリカ合衆国国家歴史登録財に登録され、文化的遺産としての側面も有しています。

このスタジアムがホストする最も有名なイベントの一つが、毎年秋に開催される「ビッグゲーム（Big Game）」です。これは、カリフォルニア大学バークレー校の長年のライバル校であるスタンフォード大学との間で行われる、全米でも屈指の伝統と歴史を持つ大学フットボールの対抗戦であり、多くの注目を集める一戦です。

さらに、カリフォルニア・メモリアル・スタジアムは、その立地に関して地質学的に非常にユニークな特徴を持っています。スタジアムの基礎構造の直下には、ヘイワード断層という活断層の一種であるクリープ断層が横断しています。この断層は、比較的ゆっくりとではありますが、常に微細な動き（クリープ）を続けています。この断層活動の影響はスタジアムの構造にも現れており、特にコンクリート壁の一部に見られるひび割れにおいては、断層の微細なずれが原因で、ひび割れの左右の面が時間の経過とともに少しずつ横方向に移動し、ずれ幅が徐々に拡大している箇所が確認されています。このような地質学的特性は、スタジアムの設計や維持管理において特別な考慮を必要とする要因となっています。

カリフォルニア・メモリアル・スタジアムは、単なるスポーツ施設としてだけでなく、歴史的建造物であり、地域社会における文化的中心地の一つであり、そして地質学的な特異性を持つ場所としても、多角的な側面を持つ施設と言えます。カル・ゴールデンベアーズのホームグラウンドとして、また伝統あるビッグゲームの舞台として、今後も多くの人々に利用され続けることでしょう。

もう一度検索