カリブ (アルバム)

アルバム『カリブ』の詳細

エルトン・ジョンが1974年に発表した『カリブ』は、彼の音楽キャリアにおいて重要な位置を占めるアルバムです。この作品のタイトルは、コロラド州ボルダー郡に位置するカリブー・ランチというスタジオでレコーディングが行われたことに由来しています。このスタジオは、ビーチ・ボーイズやシカゴといった他の有名アーティストも使用しており、音楽史に残る作品が生まれた場所でもあります。

当初のタイトルは「Pink Eyes Back」でしたが、これがフランク・シナトラの「Blue Eyes Back」と似通っていたために変更されました。エルトンは、わずか一週間でアルバムを録音しましたが、その過程でホーンの使用が目立つ迫力のある楽曲が完成しました。特に、ビーチ・ボーイズのメンバーが参加した「僕の瞳に小さな太陽」は、後にジョージ・マイケルとのデュエットがヒットし、エルトンにとって大きな自信を与える楽曲となりました。

特筆すべきは、「あばずれさんのお帰り」という衝撃的なタイトルの曲です。この曲は、伝説的な歌手ティナ・ターナーもカバーし、エルトンと共演する場面もありました。また、「ソラー・プレステッジ・ア・ガモン」という曲は、タイトルも内容も理解が難しいもので、作詞を担当したバーニー・トーピンが意図的にナンセンスな歌詞を創作したとのことです。

「ティッキング（母さんの言葉）」は、キリスト教的な価値観と現実の皮肉を絡めた歌詞が特徴で、聴く者に強い印象を与えます。さらに、リマスター版CDにはオリジナルの収録曲に加え、4曲のボーナストラックが追加されています。その中でも「ピンボールの魔術師」は、映画『トミー』のオリジナルサウンドトラックからリリースされ、シングルとして全英チャートで7位を記録しました。この楽曲では、エルトン自身がピンボール・チャンピオン役で出演し、独自のパフォーマンスを披露しました。

収録曲

• - あばずれさんのお帰り - The Bitch Is Back
• - ピンキー - Pinky
• - グリムズビー（美しき故郷） - Grimsby
• - ディキシー・リリー（ショーボートが川を行く） - Dixie Lily
• - ソラー・プレステッジ・ア・ガモン（ぎらぎら太陽マークの特上ハム） - Solar Prestige a Gammon
• - ニューヨークの尻軽女 - You're So Static
• - 空飛ぶ円盤 - I've Seen the Saucers
• - スティンカー（虫けらのような男） - Stinker
• - 僕の瞳に小さな太陽 - Don't Let the Sun Go Down on Me
• - ティッキング（母さんの言葉） - Ticking
• - ボーナストラック
• - ピンボールの魔術師 - Pinball Wizard
• - シック・シティ - Sick City
• - コールド・ハイウェイ - Cold Highway
• - ステップ・イントゥ・クリスマス（旧題：ロックン・ロールで大騒ぎ） - Step into Christmas

このアルバムには、エルトン・ジョンの他にも多くのセッションミュージシャンが参加しており、そのサウンドの豊かさを引き立てています。エルトン自身もボーカルとピアノを務め、楽曲に独特の色合いを加えています。総じて、『カリブ』はエルトン・ジョンの音楽の多様性と革新性を象徴する作品となっています。

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