カリャリ県

カリャリ県：サルデーニャの心臓部

カリャリ県（Città metropolitana di Cagliari）は、イタリア・サルデーニャ自治州に位置する県級行政区画です。県都カリャリは、サルデーニャ自治州の州都でもあり、島の政治、経済、文化の中心地としての役割を担っています。カリャリ県には、サルデーニャ島の人口の約4分の1が居住しており、活気あふれる地域です。

地理と位置

カリャリ県は、サルデーニャ島の南部に位置し、東と南はティレニア海に面しています。県都カリャリは、カリャリ湾の奥に位置し、オリスターノの南東約89km、ヌーオロの南約123km、サッサリの南南東約174km、首都ローマの南東約410kmに位置します。周辺は南サルデーニャ県と隣接しています。

歴史

2005年の行政区画再編により、カリャリ県の西部はカルボーニア＝イグレージアス県、北西部はメディオ・カンピダーノ県として分離されました。一方で、ヌーオロ県からイジーリなど13のコムーネが編入され、一時サルデーニャ自治州最大の面積を持つ県となりました。

2016年には、カリャリ市周辺が大都市（Città metropolitana）に位置づけられ、周辺17のコムーネとともに新たな行政区画が設置されました。残りの54のコムーネは新設された南サルデーニャ県に組み込まれました。

社会と産業

カリャリ県は、海に面しているため、水産物が豊富です。特に、ボラの卵巣を塩漬けにしたボッタルガは、この地域の特産品として知られています。ボッタルガは、日本のカラスミに相当する珍味で、イタリア国内でも広く愛されています。

教育機関としては、1620年創立のカリャリ大学があり、地域の人材育成に貢献しています。カリャリ大学は、サルデーニャ島における高等教育の中心的な存在です。

文化と食文化

カリャリ県は、豊かな食文化を持つ地域であり、特に海産物を使った料理が有名です。ボッタルガの他にも、新鮮な魚介類を使った料理が楽しめます。

また、カリャリ県はイタリアワインの産地でもあります。県内では、原産地統制呼称（DOC）の指定を受けた多くのワインが生産されています。代表的なワインとしては、カリニャーノ・デル・スルチス、ジロ・ディ・カリアリ、マルヴァシア・ディ・カリアリなどがあります。

スポーツと交通

カリャリには、カリアリ・カルチョというサッカークラブがあり、地域のスポーツ振興に貢献しています。

交通網としては、道路、鉄道、空港が整備されています。主要な道路としては、SS125、SS130、SS131などがあり、県内外へのアクセスを支えています。また、カリャリ＝エルマス空港は、国内外の主要都市と結ばれています。

著名な出身者

カリャリ県出身の著名人としては、マンドリン奏者のジュゼッペ・アネダがいます。彼はカリャリで生まれ、世界的に活躍しました。

カリャリ県は、サルデーニャ島の歴史、文化、経済の中心地として、重要な役割を果たしています。豊かな自然、美味しい食文化、そして活気ある人々の暮らしが、この地域の魅力を形作っています。

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