カルトリ王国

カルトリ王国の歴史

カルトリ王国（グルジア語: ქართლის სამეფო）は、1466年から1762年までグルジア中部に位置し、トビリシを首都とする王国でした。設立当初から周囲の大国からの圧力を受け、特にオスマン帝国とサファヴィー朝との間での影響を強く受けていました。実質的にカルトリはこの二つの国の影響下で長い間統治されていた、運命の波に晒された場所であったと言えるでしょう。

王国の歴史は15世紀に遡ります。この時期、グルジアは外敵による攻撃を受け続け、内部では権力の争いが絶えない状況でした。1463年、王族のバグラト6世が反発し、イメルティの王を名乗りました。この反乱はグルジア王ギオルギ8世との戦いで勃発し、結果的にギオルギ8世が敗北することになりました。このことで、グルジア王国は次第に解体へと向かうこととなります。

バグラト6世は1466年にはカルトリの王を名乗り、新たな権力を確立しました。しかし、彼の統治は長く続かず、1478年に王族のコンスタンティネ2世による反乱が勃発。最終的にはバグラト6世が失脚し、コンスタンティネ2世も貴族の反乱に直面しました。1483年のアラデティの戦いでは、貴族軍に敗北し、王国の混乱は収束を見ませんでした。

1490年、グルジアはイメレティ王国、カヘティ王国、そしてカルトリ王国の三つに分裂しましたが、各王国間の対立は続きました。特に1511年、カヘティ王ギオルギ2世がカルトリに侵攻し、王ダヴィド10世を追放する事態に発展します。この戦争により、カルトリとカヘティの間での争いは続くことになり、両王国の均衡は崩れました。

16世紀から1747年にかけて、カルトリ王国はペルシアの影響下に置かれました。毎年、皇帝に軍馬や酒の貢物を送ることが義務づけられるなど、実質的には傀儡への道を歩んでいたとも言えるでしょう。しかし、1747年にはアフシャール朝のナーディル・シャーが暗殺されると、ダヴィド10世の息子エレクレ2世が登場し、カルトリを取り戻すことに成功しました。彼はすぐにペルシアの支配を撃退し、国家の再建を果たしました。

1762年には、エレクレ2世がトビリシを都にカルトリ・カヘティ王国を成立させ、当時の状況に大きな変化をもたらします。その後、1783年のギオルギエフスク条約によりこの地域はロシア帝国の保護国となりますが、1795年にはガージャール朝による侵攻を受け、ロシアからの援助がなかったことで敗北しました。グルジアはこの後も衰退が続き、最終的には1802年にロシアに併合される運命をたどります。

こうして、カルトリ王国はその存在を終えることを余儀なくされましたが、その歴史は現在のグルジアの文化やアイデンティティに深く刻まれています。

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