カルトリ・カヘティ王国

カルトリ・カヘティ王国の歴史

カルトリ・カヘティ王国（ジョージア語: ქართლ-კახეთის სამეფო）は、1762年から1801年まで存在したジョージア東部の国家です。この王国は、カルトリ王国とカヘティ王国という2つの王国の連合によって設立されました。これにより、約300年ぶりにこの地域が統一されたのです。

設立の背景

16世紀中ごろから18世紀中ごろにかけて、ジョージアはイランの支配を受けていました。この時期、特にアマスィヤの講和により、地域は不安定な状況に置かれました。1744年、アフシャール朝のナーディル・シャーは、カルトリ王国のテイムラズ2世とカヘティ王国のエレクレ2世に王権を認めました。カルトリ王国がイランの支配下にある中で、テイムラズ2世とエレクレ2世は1747年にナーディル・シャーが暗殺されたのを機に、実質的な独立を果たしました。

統一とロシアの影響

1762年にテイムラズ2世が死去した後、エレクレ2世はカルトリ王国の領域を継承し、2つの王国が統合されました。エレクレ2世は一時ザンド朝への従属を表明しましたが、その後も30年間はある程度の自治を保ちました。1783年にはゲオルギエフスク条約が締結され、カルトリ・カヘティ王国はロシア帝国の保護国となりました。これにより、イランへの従属は終わりましたが、王国は自衛権や外交権を失いました。ただし、自治は保持され、外敵からの保護も約束されました。

外的圧力と侵攻

1790年代にカジャール朝がイランを統一すると、アーガー・モハンマド・シャーはエレクレ2世に対してロシアとの条約破棄を要求しましたが、エレクレ2世はこれを拒否しました。すると、アーガー・モハンマド・シャーは軍を派遣してカルトリ・カヘティ王国を侵攻し、トビリシを占領しました。この攻撃によって一時的にイランの支配下になりましたが、1797年にアーガー・モハンマド・シャーが暗殺され、エレクレ2世も翌年に亡くなりました。

王国の終焉

その後、エレクレ2世の息子ギオルギ12世が王国の指導者となりましたが、1800年にはカルトリ・カヘティ王国はロシア帝国に併合され、ジョージア県の一部となりました。さらに、1804年から1813年にはロシア・ペルシャ戦争が影響し、ゴレスターン条約によりイランはロシアに対してジョージアを含むザカフカス地方の領有権を認めることとなりました。

国王一覧

• - エレクレ2世（在位: 1762年 - 1798年）
• - ギオルギ12世（在位: 1798年 - 1800年）

カルトリ・カヘティ王国は、その短期間にもかかわらず、ジョージアの歴史において重要な役割を果たし、外敵に対する抵抗や内部の政治体制の確立といった側面で非常に興味深い存在でした。

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