カルロス・カヴァーゾ
カルロス・カヴァーゾ
アメリカ合衆国出身のギタリスト、カルロス・カヴァーゾ（Carlos Cavazo）は、1957年7月8日にジョージア州アトランタで生を受けました。メキシコ人の父とアメリカ人の母を持つ彼の音楽キャリアは、ハードロック史に名を刻む数々のバンドを経て今日に至ります。
音楽の黎明期と「スノウ」
若きカルロスは、1973年に兄であるトニーと共にカリフォルニア州オレンジ郡アナハイム近郊で音楽活動を開始。「スピード・オブ・ライト」というバンドを結成しました。キャニオン高校に通っていましたが、音楽への情熱から学業を離れる道を選びます。バンドはその後、ボーカリストのダグ・エリソン、ドラマーのスティーヴン・クアドロスを迎え、1978年に「スノウ（Snow）」と改名。スノウはロサンゼルスの音楽シーンで徐々に支持を集め、1980年には自主制作でEPを発表しています。時を経て、スノウは2017年11月8日に『アット・ラスト』のリリースを記念し、ウィスキー・ア・ゴーゴーにて再結成ライブを行いました。
クワイエット・ライオットでの隆盛
1982年、カルロス・カヴァーゾのキャリアにおいて最も重要な転機が訪れます。飛行機事故で惜しくもこの世を去ったランディ・ローズの後任として、再編成されたクワイエット・ライオットにギタリストとして加入したのです。彼はバンドの解散までそのメンバーとして活動を続けました。クワイエット・ライオットは、彼が加入した後に発表したアルバム『メタル・ヘルス』（Metal Health）がハードロックバンドとして初めて全米チャート1位を獲得するという歴史的な成功を収め、続く『コンディション・クリティカル』（Condition Critical）も大ヒットを記録しました。カルロスのギタープレイは、バンドのサウンドに欠かせない要素となり、その後のアルバム『QR III』、『QR』、『テリファイド』（Terrified）、『ダウン・トゥ・ザ・ボーン』（Down to the Bone）、『アライブ・アンド・ウェル』（Alive and Well）、『ギルティ・プレジャーズ』（Guilty Pleasures）といった作品群にも貢献しました。なお、2006年の再結成時には彼は参加していません。
その後の活動と現在のラット
クワイエット・ライオット脱退後も、カルロスは精力的に音楽活動を継続します。2006年には、ヴィニー・アピス（ドラム）、ジミー・ベイン（ベース）、チャス・ウェスト（ボーカル）、ブライアン・ヤング（ギター）といった著名なミュージシャンと共にスーパーグループ、「3レグド・ドッグ（3 Legged Dogg）」を結成し、同年にはアルバム『フローズン・サマー』（Frozen Summer）をリリースしました。このバンドは後に訴訟問題に巻き込まれる出来事もありました。
そして2018年、カルロス・カヴァーゾはハードロックバンド、ラット（Ratt）に加入しました。ジョン・コラビの後任として迎えられた彼は、現在もラットのギタリストとしてバンドの重要な一員であり、ライブ活動などを通じてその実力を発揮し続けています。
数々のバンドを渡り歩き、特にクワイエット・ライオットでの貢献は計り知れないカルロス・カヴァーゾは、今なお現役のギタリストとしてハードロックシーンを支えています。
ディスコグラフィー（主な参加作品）
- - スノウ (Snow)
- - マックス・ハボック, LTD (Max Havoc, LTD)
- - クワイエット・ライオット (Quiet Riot)
- 1984 Condition Critical
- 1986 QR III
- 1988 QR
- 1993 Terrified
- 1993 The Randy Rhoads Years
- 1995 Down to the Bone
- 1999 Alive and Well
- 2001 Guilty Pleasures
- - Hear 'n Aid
- - 3レグド・ドッグ (3 Legged Dogg)
- - パワー・プロジェクト (Power Project)
- - ティム・"リッパー"・オーウェンズ (Tim "Ripper" Owens)
- - ラット (Ratt)
- - King Kobra
（注記：ラットの『Infestation』における彼の参加形態については情報源により異同がありますが、ここでは提供されたディスコグラフィーリストに従い記載しています。）
もう一度検索
【記事の利用について】
タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。
【リンクついて】
リンクフリーです。