カルロ・アリエンティ

カルロ・アリエンティ

カルロ・アリエンティ（Carlo Arienti, 1801年7月21日 - 1873年3月21日）は、19世紀に活躍したイタリアの画家で、特にイタリア統一運動の時代において重要な役割を果たしました。彼はロンバルディア地方において多くの肖像画を描き、イタリアの文化に大きな影響を与えました。

略歴

アリエンティはロンバルディアの小さな町アルコレで、庭園の管理人の息子として生まれました。若い頃、父親の仕事を手伝いながら、マントヴァの美術品を描くことに親しんでいました。しかし、13歳の時に父親を失い、彼の人生は大きく変わることになります。この悲劇を乗り越えるために、彼はミラノに移り、ブレラ美術アカデミーで新古典主義の画家ルイージ・サバテッリや彫刻家カミッロ・パセットから学びました。

1823年から、アリエンティは展覧会に参加し始め、次第に名を馳せていきます。特に1824年から1829年までローマのアカデミア・ディ・サン・ルカでの修行が彼のキャリアにおいて転機となります。ローマ滞在中、他の著名な画家や美術史家と知り合い、交流を深めました。また、ミラノを何度も訪れ、ブレラ美術アカデミーの展覧会では6点の肖像画を出展し続けました。

1831年には、名作曲家ヴィンチェンツォ・ベッリーニの肖像画を手がけ、大きな評価を受けるようになります。この作品により、貴族や上流階級の人々からの注文が増え、彼は人気の画家となりました。アリエンティはまた、教職にも挑戦し、ブレラ美術アカデミーでルイージ・サバテッリの代理として教授を務めました。以降、オーストリア皇帝やサルデーニャ国王からの注文も受けるようになります。

1843年には、トリノの美術学校の教授に就任し、1859年までその地で多くの教え子を育てました。特に、イタリア独立運動の時期にはパリ万国博覧会への作品出展も行い、国民に希望を与えるために作品が重要な役割を果たしました。

1859年、オーストリア軍がロンバルディアを撤退したことで、アリエンティはサルデーニャ王国から勲章を授与され、ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世からの絵の注文も受けました。しかし、トリノの美術学校長との対立が起こり、彼は教授職を失いました。1860年にはモデナでの短期の活動を経て、ボローニャに移り、ボローニャの美術学校の理事としても活動しました。

アリエンティが教えた学生には、エンリコ・ガンバ、バルトロメオ・ジュリアーノ、ジュゼッペ・コスタ、ロレンツォ・デッレアーニ、コスタンティーノ・セレーノなど、多くの著名な画家が含まれています。彼はこれらの後進に多くの足跡を残しました。

晩年

アリエンティは1869年に脳卒中を患い、部分的に麻痺が残ることとなりましたが、それでも助けを借りながら創作活動を続けました。しかし、1871年には解雇され、1873年にボローニャでその生涯を閉じました。アリエンティの作品や教育の影響は、彼の死後もなお続いており、イタリアの美術界における重要な存在であったことを示しています。

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