カレン民族解放軍

カレン民族解放軍（KNLA）について

カレン民族解放軍（Karen National Liberation Army、略称KNLA）は、ミャンマーにおけるカレン民族同盟の主要な軍事部隊です。この組織は、ビルマ（現在のミャンマー）が1948年にイギリスから独立した後、カレン族の独立を強く願う動きの中で形成されました。ビルマ国内の他の民族が政府との共存を目指す中、カレン族はより過激な姿勢を取り、政府との間に深刻な緊張が生じました。

1949年、ビルマ連邦政府が結成した民兵によってカレン族の居住地域が襲撃され、続いて政府はカレン族の指導者を逮捕しました。このような圧力は1962年のネ・ウィン将軍による政権掌握後、一層厳しくなり、カレン族の独立運動は反乱として扱われ、激しい弾圧が行われました。このような状況下で、カレン族は自らの権利を守るために武力抵抗に踏み切り、内戦が勃発しました。

初期の戦闘ではカレン族は北ビルマの広範な地域を制圧したものの、港湾を失ったことで補給ルートが断たれ、最終的には南東部に追い込まれました。これにより、KNLAは南東部にコートレイと呼ばれる解放区を設け、現在もその地域を実効支配しています。コートレイの中心であったマナプロウは、当時の反政府活動の重要な拠点とされていましたが、1994年に民主カレン仏教徒軍（DKBA）が政府側に転向したことで状況が一変し、1995年初頭にこの地域は陥落しました。

その後、KNLAは辛うじて残った力をもってサルウィン川両岸を行き来しながら、限られた区域を防衛しています。近年、ミャンマーにおける国軍のクーデターが発生したことで、カレン民族解放軍は国民統一政府（NUG）の支援を受け、民主化を求める運動の一端を担うようになりました。彼らは国軍基地への攻撃や、ミャンマー市民のデモを国軍の圧力から耐えしのぐ活動を行っています。

かつてのコートレイは、士官学校や独自の行政機関も存在し、KNLAは正規軍としての体制を整えていました。現在でも、彼らは様々な武装を有しており、主にM16やAK自動小銃などの兵器を使用しています。このような背景から、KNLAはミャンマーにおける重要な抵抗勢力として位置づけられており、彼らの活動は国際的な注目も集めています。

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