カワリモリモズ

カワリモリモズ (Northern Variable Pitohui)

カワリモリモズ（学名：Pitohui kirhocephalus）は、スズメ目に属するカラス科の鳥で、主にインドネシアとパプアニューギニアの熱帯雨林に生息しています。この鳥は特にその多様性に富んだ外観と、特異な毒を持つことで注目されています。

特徴

カワリモリモズは、多種多様な形態を持つ鳥であり、かつては異なる種とみなされていた亜種も存在しました。歴史的には、20以上の亜種が羽毛パターンの違いによって分類されていましたが、2013年にはこの分類が見直され、Pitohui cerviniventris と Pitohui uropygialis の二種が分離されました。その結果、カワリモリモズは「北部変種モリモズ」という英名に変更され、いわゆる南部変種モリモズ（Pitohui uropygialis）とは区別されるようになりました。

この鳥は、毒を持つ数少ない鳥類の一つとされており、その毒は厳密な生態的な役割を果たしています。カワリモリモズの毒は、同じピトフーイ属に属するズグロモリモズ（Pitohui dichrous）、ズアオチメドリ（Ifrita kowaldi）、チャイロモズツグミ（Colluricincla megarhyncha）といった他の鳥の仲間にも見られます。

生息環境

この鳥は、熱帯の高温多湿な森林に生息しており、豊富な植物群や昆虫が共存する環境が適しています。カワリモリモズは、樹上での生活が主で、果物や昆虫を食べるために樹木の間を飛び回ります。その行動様式は、他の鳥類とは一線を画す特異なものとなっています。

亜種

カワリモリモズは以下の11の亜種に分類されています。

• - P. k. kirhocephalus: ニューギニア島北西部のドベライ半島東部に生息。
• - P. k. dohertyi: ニューギニア島北西部、ワンダメン地方に分布。初めは別種として記載された。
• - P. k. rubiensis: ニューギニア島西部、チェンデラワシ湾周辺からトリトン湾まで。
• - P. k. brunneivertex: チェンデラワシ湾東岸に分布。
• - P. k. decipiens: ニューギニア島南西部のオニン半島に見られる。
• - P. k. adiensis: ニューギニア島南西沖のアディ島産。
• - P. k. carolinae: ニューギニア島南西部のエトナ湾地域に生息。
• - P. k. jobiensis: ニューギニア島北西沖のクルドゥ島およびヤーペン島。
• - P. k. meyeri: ニューギニア島北部、マンベラモ沿岸に棲息。
• - P. k. senex: ニューギニア島北部、セピック川上流域に分布。
• - P. k. brunneicaudus: ニューギニア島北部、セピック川下流域からアストロラベ湾にかけて。

関連項目

カワリモリモズは、他のピトフーイ属の鳥と同様に、独特の美しさと生態を持ち合わせています。彼らの持つ毒は、捕食者からの防御手段として機能し、これにより生存競争においても有利に働いています。これらの生態系における役割や、彼らが果たす重要な生物多様性の一端は、今後の研究においても注目されることでしょう。

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