カンジュルジャブ

カンジュルジャブの人生と軍歴

カンジュルジャブ（漢字：甘珠爾扎布、中国語名：韓紹約、1903年 - 1971年）は、モンゴル族出身の満州国軍で活動した軍人です。彼の人生は、モンゴルの独立運動や日本の影響を強く受けた複雑な経歴を持っています。カンジュルジャブは、満州事変の際に内蒙古自治軍を組織し、その後の満州国建国に深く関与しました。最終的には陸軍中将まで昇進しました。

幼少期と教育

カンジュルジャブは1903年、バボージャブの次男として誕生しました。彼の父は、1916年に日本との関与が特に際立つ第二次満蒙独立運動で戦死しました。父の死後、カンジュルジャブは日本に引き取られ、早稲田大学に入学したものの、学業を中退します。1925年には「韓紹約」の名で陸軍士官学校に入学し、1927年には川島芳子（川島浪速の養女）と結婚しましたが、その後離婚することになります。

内蒙古自治軍の設立と活動

1931年に満州事変が発生した際、彼は独立の機会を逃さず、 अन्य海域の蒙古青年を集めて関東軍の支援を受ける形で蒙古独立軍を構成しました。カンジュルジャブはその指揮官として、内蒙古自治軍を結成し、重要な役割を果たしましたが、他の幹部との意見の不一致から、彼は後に総参謀長及び第3軍司令官に就任します。やがて内蒙古自治軍は満州国軍に編入され、興安南分省警備軍へと再編成されました。

満州国時代の役割

その後、カンジュルジャブは興安局の警務科事務官や興安警察局局長、興安陸軍軍官学校校長などを歴任することになり、戦略的なリーダーとして活躍しました。日中戦争においては、彼は甘支隊を編成し、中国共産党軍に対して数々の戦闘を展開しました。この頃、カンジュルジャブは約1,000人の兵士を指揮し、数回の戦闘で甚大な戦果をあげました。

戦後の運命

1945年8月、ソ連が対日宣戦布告した時点でカンジュルジャブは第9軍管区の司令官でした。その後の混乱の中で、彼は部隊を残したまま姿を消し、最終的には赤軍によって捕虜となります。捕虜となったカンジュルジャブは、新京の南嶺に収容された後、シベリアで抑留され、思想改造を受けることになります。1960年に釈放されましたが、1967年に弟が死去した後、1年後に自身も亡くなったとされています。

結語

カンジュルジャブの生涯は、モンゴル族の歴史や満州国における日本の影響を象徴するものです。彼の活動は単なる軍事活動にとどまらず、政治的な背景や家族の歴史とも深く関連しており、モンゴル独立運動の重要な一翼を担うものでした。

もう一度検索