バボージャブ

バボージャブの生涯と業績

バボージャブ（漢字表記：巴布扎布）は、1875年に内モンゴルのジョソト盟トゥムド左翼旗出身のモンゴル族であり、1916年に戦死するまで独立運動に尽力した馬賊です。彼は日露戦争中に日本側の義勇部隊「満州義軍」に参加し、その後もモンゴルの独立を目指して活動しました。バボージャブの業績は、辛亥革命以降のモンゴルの歴史的な背景の中で特に重要です。

早期の経歴

バボージャブは1875年に生まれ、幼少期に彰武県に移住しました。1911年、辛亥革命が勃発し、外モンゴルでボグド・ハーン政権が成立したことにより、多くの内モンゴル人がこの政権に参加しました。彼もその一人として、家族や数十名の兵士たちを率いて、ボグド政権の徴兵に従事しました。彼は南方方面営長として軍を指揮し、外モンゴルの首都ウランバートルにも到達しました。

ボグド・ハーン政権下での活動

バボージャブはボグド・ハーン政権において独立した指揮権を持つことを求め、その要望は受け入れられました。彼は南東方面軍の指揮官となり、中華民国軍と戦う中で顕著な功績を上げ、政権から鎮国公の爵位を賜りました。しかし、ロシアの圧力によって政権は内モンゴルの軍を撤退させざるを得なくなりました。

戦闘と連携

1915年にバボージャブは再び行動を起こし、日本に対して軍資金や武器の支援を求めました。彼は川島浪速と協力し、独立を目指して軍を組織しました。1916年、バボージャブ軍は張作霖軍との激闘を繰り広げ、数度の戦闘で勝利を収めつつ進軍しましたが、その背景には日本政府の政策変更が影響していました。

戦死とその後

1916年10月に林西城での攻撃を開始したバボージャブは、敵陣に突入する際に致命傷を負い戦死しました。彼の死は、モンゴルにおける独立運動にとって大きな損失となり、彼の軍隊はその後内モンゴルに帰還し、解散しました。バボージャブは、当時のモンゴルにおける重要な戦士であり、彼の生涯は今日でも多くの人々に語り継がれています。

家族と後の世代

バボージャブには数人の息子がおり、長男ノウナイジャブは日本に渡り陸軍士官学校で学んだ後、モンゴルに帰還しましたが、その後の消息は不明となっています。次男カンジュルジャブは満州国軍の将官となり、他の息子たちも軍で活躍しました。これらの経歴からも、バボージャブの影響が子孫に受け継がれていったことが伺えます。

まとめ

バボージャブは、モンゴルの独立運動に多大な貢献を果たし、多くの戦いを通じてその存在感を示しました。彼の戦いはただの武力行使ではなく、モンゴル人のアイデンティティと自由への渇望の象徴でもありました。彼の死は一つの時代の終焉を意味し、その後のモンゴルの歴史にも影響を与えました。

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