カンタベリー地震 (2011年2月)

2011年カンタベリー地震：クライストチャーチを襲った災害

2011年2月22日、地震'>[ニュージーランド]]のカンタベリー地方でマグニチュード6.1の地震が発生しました。震源はクライストチャーチ近郊のリトルトン付近、深さ約5kmと比較的浅い地震でした。この地震は、クライストチャーチ地震、リトルトン地震、あるいはニュージーランド[[地震]とも呼ばれ、甚大な被害をもたらしました。

地震の概要と地質学的背景

この地震は、2010年9月4日に同地域で発生したマグニチュード7.0の地震と関連性が指摘されています。2010年の地震の最大余震と見なす説もありますが、明確な関連性は解明されていません。しかし、今回の地震は2010年地震の震源断層の延長線上にある活断層で発生したことが分かっています。さらに、この地震の後も、2011年6月にはマグニチュード6.0の地震、12月にはマグニチュード5.8の地震が同地域で発生するなど、活発な地殻活動が続きました。

地震は、右横ずれ断層に逆断層の成分が加わった複雑なものでした。地表には長さ約30km、最大横ずれ変異量5mの断層（グリーンデール断層）が出現しましたが、地震発生当時はその存在は知られていませんでした。地震波の解析から、クライストチャーチ市内南部では、兵庫県南部[[地震]]と同程度の強い揺れが観測され、特に1～2秒周期の強い振動（キラーパルス）が建物を破壊しました。

甚大な被害

クライストチャーチ市は壊滅的な被害を受けました。クライストチャーチ大聖堂の塔が崩壊し、多くの建物が倒壊、停電や断水が各地で発生しました。特に、観測史上最大規模の液状化現象が発生し、多くの家屋が被害を受けました。カンタベリー大学による調査では、被害家屋は4万～5万棟に上ると推定されています。

中でも、中層ビル2棟の倒壊は多数の死傷者を出しました。そのうち、CTVビルは6階建ての鉄筋コンクリート造りのビルでしたが、地震発生直後、北側のエレベーター棟を残して全層が水平に落下し、出火しました。ビル内にいた多くの人々が犠牲となり、115名の死者を出しました。CTVビルの崩壊は、不適切な設計と施工が原因とされ、後に政府の独立調査委員会によって明らかにされました。

地震による死者数は185名、出身国は15カ国に及びました。また、約5万人の失業者、約2万世帯の停電、約5万世帯の断水が発生しました。被害総額は約200億ニュージーランドドル（2010年9月の地震との合計）に上りました。クライストチャーチ国際空港も一時閉鎖されましたが、すぐに再開されました。

経済への影響と国際的な支援

地震はニュージーランド経済に大きな打撃を与えました。ニュージーランド・ドルは急落し、アラブの春の勃発による中東情勢の不安定化と相まって、主要16通貨全てに対して下落しました。

世界各国から支援が寄せられました。日本政府は緊急対策会議を招集し、支援準備調査団や国際緊急援助隊を派遣しました。アメリカ、オーストラリア、シンガポール、イギリス、中国、台湾なども救助隊を派遣するなど、国際的な協調体制が構築されました。

地震後の問題

地震後、クライストチャーチでは家庭内暴力事件や自殺、ストレス関連の問題の増加が報告されています。また、報道陣による不適切な行動や、地震で犠牲になった富山の語学学校の生徒の遺族と富山市との間で、安全管理をめぐる問題も発生しました。

2011年カンタベリー地震は、ニュージーランドに大きな傷跡を残しました。この地震は、地震防災の重要性、建物の耐震性、災害時の対応のあり方など、多くの課題を私たちに突きつけました。この経験を教訓に、今後の防災対策の強化が求められています。

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