カンヌール攻囲戦 (1507年)

カンヌール攻囲戦（Siege of Cannanore）

カンヌール攻囲戦は、1507年4月から8月までの4ヶ月間にわたって行われた攻城戦であり、現在のインド・ケララ州に位置するカンヌールのポルトガルの聖アンジェロ砦が舞台となりました。この戦闘は、地元の領主であるカンヌールのラージャ、コラティリがカリカット君主ザモリンやアラブ勢力の援助を受けて行ったもので、1506年のカンヌール海戦でのポルトガルの勝利後に勃発しました。

背景

1501年初め、ポルトガル船隊の提督ペドロ・アルヴァレス・カブラルとカリカットのザモリンとの敵対関係が始まりました。この敵対は長期的なものとなり、カリカットはポルトガルの主要な敵となります。その後、コラティリラージャはカンヌールの香辛料市場での取引の機会を得るためにポルトガル人を招致しました。そして1502年に小さなポルトガル商館が設立され、1505年にはフランシスコ・デ・アルメイダが砦の建設を許可され、150人の守備隊が配備されました。

しかし、コラティリ・ラージャの死後、彼の後継者はザモリンとの関係が深まり、ポルトガルに対して冷淡な態度を示しました。また、ポルトガルのカルタス政策により、船舶は特定の許可証を持つことが義務づけられ、許可のないインドの船は容赦なく攻撃されることもありました。このような状況が地元住民の怒りを招き、コラティリはポルトガルに対抗する決意を固めました。

包囲

包囲は1507年4月27日に開始され、コラティリは40,000人のナーヤル兵とともに攻撃を行いました。その支援として、ザモリンは21門の大砲と20,000人の援軍を差し向けました。しかし、ポルトガル側の守備隊はロウレンソ・デ・ブリットの指揮のもと、強力な火力で応戦し、大規模な攻撃を幾度も退けました。このため、攻城戦は長期化し、ポルトガル軍は次第に飢餓状態に追い込まれました。興味深いことに、フェルナン・ロペス・デ・カスタニョーダの記録によると、8月15日に海岸に打ち上げられたロブスターが救いの手となったという出来事もあったようです。

オナム祭の前に行われた大規模な攻撃は、ポルトガル軍にとって危機的な状況でしたが、最終的に迎撃に成功し、守備隊の大部分が負傷しながらも耐え抜きました。ここで、ピンチに見舞われたポルトガル軍を救ったのが、8月27日に現れたトリスタン・ダ・クーニャ率いるポルトガル第8次インド派遣艦隊でした。この艦隊は、300人の兵士を上陸させ、要塞の解放に成功しました。

その後、ポルトガル側とコラティリ・ラージャとの間で和平が結ばれ、カンヌールにおけるポルトガルの拠点は維持されることが認められました。これにより、ポルトガルは引き続き香辛料市場で取引を行うことが可能となったのです。こうして、1507年のカンヌール攻囲戦はポルトガルの戦略的勝利に終わりましたが、1508年には別の海戦で敗北を喫することとなります。

関連項目

• - ポルトガル領インド

この戦闘は、インディアの植民地時代における重要な出来事の一つであり、ヨーロッパとアジアの商業関係における影響を考察する上で欠かせない項目です。

もう一度検索