カンファレンス (カレッジスポーツ)

アメリカ大学スポーツにおけるカンファレンスの概要

アメリカのカレッジスポーツ、特にNCAA（全米大学体育協会）ディビジョンIにおけるカンファレンスは、日本の大学リーグに相当する組織です。東京六大学や関東学生アメリカンフットボールリーグのように、複数の大学スポーツチームが所属するリーグとして機能しています。

カンファレンスの構造とNCAAの役割

NCAAは、これらのカンファレンスとその構成大学を統括する組織であり、大半のカンファレンスがNCAAに所属しています。小規模な大学が集まるカンファレンスはNAIA（National Association of Intercollegiate Athletics）に所属することも。NCAAに所属するカンファレンスは、大学の規模や競技レベルに応じてディビジョンに分かれており、これは日本の体育会における一部、二部のような区分けに似ています。

多くのカンファレンスは、様々なスポーツをカバーしていますが、バスケットボールやホッケーに特化したカンファレンスも存在します。また、同じ大学でも、スポーツの種類によって異なるカンファレンスに所属することがあります。

日本の大学リーグと比較すると、アメリカのカンファレンスでは大学の移籍、カンファレンス同士の合併・解散が比較的頻繁に行われます。成績不振や不祥事により、カンファレンスから追放されることもあり、その場合、大学は一時的にどのカンファレンスにも所属しない「独立校」となります。伝統的な理由から、カンファレンスに所属せず独立校を貫く大学も存在します。

NCAAは、カンファレンスの設立と維持のために、最低でも6大学（FBSに属するカンファレンスは8大学）の所属を義務付けています。所属校数が基準を下回った場合、カンファレンスは2年以内に新たな加盟校を確保する必要があります。それができない場合、カンファレンスは解散となります。

ディビジョンI内の階層化：フットボールの重要性

特にフットボールにおいては、ディビジョンIの中でもFBS（ボウル・サブディビジョン）とFCS（チャンピオンシップ・サブディビジョン）という階層が存在します。FBSは、さらにパワー5と呼ばれる強豪カンファレンスと、グループ5と呼ばれるカンファレンスに分かれています。

パワー5に所属するカンファレンスは、全米でもトップクラスの強豪校が集まっており、その優勝校は主要なボウルゲームへの出場権を得ることができます。フットボール以外のスポーツでは、FBS/FCSの区別はなく、全てディビジョンIとして扱われます。

主要カンファレンスの紹介（FBS）

パワー5カンファレンス
アトランティック・コースト・カンファレンス (ACC)
ビッグ・テン・カンファレンス (Big Ten)
ビッグ12カンファレンス (Big 12)
パシフィック12カンファレンス (Pac-12)
サウスイースタン・カンファレンス (SEC)
グループ5カンファレンス
カンファレンスUSA (C-USA)
ミッドアメリカン・カンファレンス (MAC)
マウンテン・ウェスト・カンファレンス (MWC)
サンベルト・カンファレンス
アメリカン・アスレチック・カンファレンス (AAC)

独立校の存在

フットボールにおいては、ノートルダム大学、陸軍士官学校、海軍兵学校などが独立校として知られています。ノートルダム大学は、過去の実績から主要なボウルゲームへの出場資格を持つなど、特別な地位を確立しています。ブリガムヤング大学は、2023年シーズンよりビッグ12カンファレンスに加入予定です。

消滅したカンファレンスの歴史

かつて存在したカンファレンスの中には、ビッグ・エイト・カンファレンス（現在のビッグ12カンファレンス）、サウスウェスト・カンファレンスなどがあります。サウスウェスト・カンファレンスは、テキサス州内の主要大学で構成されていましたが、相次ぐ不祥事により解散しました。特に南メソジスト大学は、NCAAから非常に厳しい処分を受け、長期間にわたり低迷を余儀なくされました。

まとめ

アメリカの大学スポーツにおけるカンファレンスは、競技レベルの向上、大学間の連携、そしてスポーツ文化の発展に重要な役割を果たしています。その構造や歴史を理解することで、アメリカの大学スポーツをより深く楽しむことができるでしょう。

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