カンボジアの国章

カンボジア王国の国章

カンボジア王国の国章（クメール語: ព្រះរាជសង្ហាកម្ពុជា）は、カンボジア王室の紋章を基にしており、王権の象徴として重要な役割を果たしています。現在の国王、ノロドム・シハモニの王旗にもこの紋章が描かれています。

紋章の構成要素

国章に描かれている動物は、向かって左にいるのがゾウの鼻を持つ獅子であるガジャシンハ、右にいるのがシンハ（獅子）です。これら二匹の動物は、王家のための五層の日傘を捧げ持っています。

その間にはカンボジア式の王冠があり、頂上からは日の光が放たれています。王冠の左右には木の葉のような金色のマントが上に向かってたなびき、王冠の下にはローブが垂れ下がっています。その手前には青い盾があり、盾の中には台座のついた皿（タイのパーンと同様のもの）が二段重ねられ、聖なる剣とクメール語のオームのシンボルが載せられた図柄があります。皿の下には勲章が描かれ、その両側から緑の月桂樹の葉の飾りが皿を囲んでいます。

紋章の下部にある帯には、クメール語で「Preah Chao」（幸いな支配者）、「Krung」（国、王国）、「Kampuchea」（カンプチア / カンボジア）とあり、合わせて「カンボジア王国の国王」と読むことができます。

歴史

上に示した西欧の紋章学に基づいたカンボジア王室の紋章は、1953年のカンボジア王国の独立の際に制定されました。しかし、クーデターで立憲君主制が覆された後のクメール共和国（1970年 - 1975年）ではこの紋章は廃止されました。また、クメール・ルージュ支配下の民主カンボジア（1975年 - 1979年）でも、ベトナム軍の支援を受けてクメール・ルージュを追放した後のカンプチア人民共和国（1979年 - 1989年）でも、ベトナム軍撤退後のカンボジア国（1989年 - 1993年）でもこの紋章は用いられませんでした。

1993年、ノロドム・シハヌークを国王とするカンボジア王国が誕生し、この紋章も復活しました。

関連項目

国章
国章の一覧
* カンボジアの国旗

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