カンボジア国立銀行

カンボジア国立銀行について

カンボジア国立銀行（National Bank of Cambodia、略称NBC）は、カンボジアの中央銀行として、首都プノンペンに位置しています。この銀行は、金融及び為替政策の管理を中心に、国民通貨であるリエルの発行や金融機関の規制を行っています。また、2020年の10月にはデジタル通貨「バコン」の導入を発表し、近代的な金融システムの確立に向けた取り組みを進めています。

歴史的背景

カンボジア国立銀行は、1954年に設立されました。この設立は、カンボジアがフランス領インドシナから独立を果たした直後のことです。当初はインドシナ印刷所が閉鎖されたのち、国内における新しい金融システムの一環として誕生しました。

1975年から1979年にかけて民主カンプチア（ポル・ポト政権）の影響で、カンボジアの金融システムは壊滅的な状況に陥りました。この時期には中央銀行が機能しておらず、国全体の経済が大きな打撃を受けました。しかし、1979年に再び中央銀行が設立され、金融システムの再建が始まりました。

銀行の役割

カンボジア国立銀行は、経済の安定を図るために重要な役割を果たしています。この銀行は、通貨の管理のみならず、銀行や金融機関に対する厳格な規制を設けているほか、国内外の経済動向に基づいて金融政策を調整することが求められています。

特にリエルに関しては、通貨の発行、価格安定を維持し、外国為替市場との調和を図るなどの業務を行っています。これにより、カンボジア国内での取引が円滑に行われることを目指しています。

支店と展開

カンボジア国内には、25の省および市にわたって21の支店を展開しています。これにより、各地域での金融サービスへのアクセスが向上し、地方経済の発展に寄与しています。各支店は、地域のニーズに応じたサービスを提供し、地域金融機関と連携しながら金融システム全体の健全性を保つよう努力しています。

特徴と呼称

カンボジア国立銀行は通称「レッドバンク」または「バンク・ルージュ」とも呼ばれています。また、1979年から1992年にかけては「カンプチア人民国立銀行」という名称が使用されていました。これらの呼称は、この銀行の歴史的な背景や社会的意義を反映するものとなっています。

今後の展望

カンボジア国立銀行は、デジタル通貨の導入を進めるとともに、さらなる金融システムの近代化に向けて努力を続けています。経済成長と共に国民の期待も高まる中、銀行は経済の安定と成長の両立を図る重要な役割を担っています。今後も、その活動がカンボジアの経済発展にどのように寄与するかが注目されるところです。

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