カーマゲドン

『カーマゲドン』シリーズ：破壊と殺戮のカーレースゲーム

『カーマゲドン』は、イギリスのStainless Gamesが開発し、SCi（現THQ Nordic）が販売した、型破りなレースゲームシリーズです。2018年にはTHQ Nordicが版権を取得し、現在もその人気を保っています。

シリーズを通して特徴的なのは、その高い自由度です。決められたコースを走るだけでなく、街中を自由に暴走し、通行人を轢いたり、建物を破壊したりできます。この暴力的なゲーム性は、残酷ゲームとして分類されることもありますが、その独特のゲーム性は多くのゲーマーを魅了してきました。

ゲーム性と独特の世界観

基本的なゲームの流れは、複数のライバル車と競走し、チェックポイントを通過することで制限時間を延長しながら、コースを周回することです。しかし、このゲームの真骨頂は、ライバル車を破壊したり、通行人を轢いたりすることで得られるボーナススコアにあります。歩行者への衝突は、その人数や衝突の仕方によってスコアが大きく変動し、まるで芸術的な殺戮を競うかのような、異様な達成感を得られるシステムです。

さらに、各シリーズ作品では、クリア条件も多様化しています。通行人を全員殺害、コースの規定周回数達成、ライバルカーの全車破壊など、ランダムに選択された条件を満たすことで勝利となります。

シリーズ作品は、それぞれの作品で新たな要素が追加されてきました。例えば、『カーマゲドン2』では、ミッションモードが追加され、ステージクリア型のゲーム性も取り入れられました。また、『Carmageddon TDR 2000』では、ミッションの複雑化やネットワーク対戦への対応など、更なる進化を見せています。

シリーズ作品一覧

Carmageddon: シリーズ第一作。アクロバティックなコースと、過激なゲーム性が特徴。
Carmageddon 2: ミッションモードの追加や、PC版のDirect3Dとの相性問題、そして日本版における成人指定版と全年齢版のリリースなど、話題を提供した作品です。Nintendo64版も存在しますが、残酷表現の緩和により評価は低調だったとされています。
Carmageddon TDR 2000: より複雑なミッションモード、低くなった通行人撥ねボーナス、そしてネットワーク対戦に対応。舞台設定も、核戦争後のモラル崩壊した世界に変更され、その世界観がゲーム性をより一層際立たせています。40種類以上の車が登場するのも特徴です。
Carmageddon 4: 開発発表されたものの、その後開発が延期された作品。
Carmageddon: Reincarnation: Kickstarterやゲーム開発者からの資金援助を受けて開発され、Steamでリリースされた作品。
Carmageddon: Max Damage: PS4/Xbox One、そしてSteamでリリースされた、『Carmageddon: Reincarnation』のバージョンアップ版。

暴力表現規制と対応

ゲーム内容は、自動車を使った無差別殺人をゲームとして体験できることから、世界各国で暴力表現規制の対象となりました。日本においても、同様のゲームである『グランド・セフト・オート』への批判の高まりを受け、年齢制限や、血表現の有無といった対応が行われました。『カーマゲドン2』の日本国内版では、赤い血が表示される成人向け版と、血の色などを変更した全年齢版が併売されたのです。海外においては、ゾンビ版やロボット版など、各国の規制に適合したバージョンがリリースされました。

影響と系譜

『カーマゲドン』は、1975年の映画『デス・レース2000年』から強い影響を受けているとされています。この映画の世界観や設定が、ゲームの世界観にも反映されていると言えるでしょう。

『カーマゲドン』シリーズは、その過激なゲーム性と高い自由度で、多くのゲーマーに衝撃を与え、そして長年に渡って愛され続ける、唯一無二の存在感を確立しています。

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