カーメン・バシリオ

カーメン・バシリオ

カーメン・バシリオ（Carmen Basilio）は、アメリカ合衆国出身の著名な元プロボクサーであり、1927年4月2日にニューヨーク州カナストータで生まれました。イタリア系の家系に育ち、彼はウェルター級およびミドル級の2つの階級で世界タイトルを獲得した二階級制覇者として知られています。

経歴

バシリオのプロボクシングキャリアは1948年に始まりました。彼の挑戦は早くも1953年9月、当時の世界ウェルター級王者キッド・ギャビランに挑みましたが、15回にわたる判定で敗北し、その壁を超えることはできませんでした。

しかし、彼の運命は1955年6月10日に一変します。この日、バシリオはトニー・デマルコとの対戦で12回の試合をKO勝利し、世界ウェルター級のベルトを手にしました。同年11月30日の再戦では、デマルコのパワーに苦しむも、必死の戦いで逆転KO勝ちを収めて初防衛に成功しました。

翌年の1956年には、彼の防衛戦で前王者ジョニー・サクストンに敗北を喫し、王座を失いましたが、同じ年の9月12日に行われたリターンマッチでサクストンを9回KOし、再び王座獲得に成功しました。そして、1957年2月22日にはサクストンに勝利し、初防衛を果たしました。

以降、バシリオはミドル級に進出し、1958年5月1日には天才ボクサーのシュガー・レイ・ロビンソンに挑戦しました。実力と経験の差があった38歳のロビンソンを打撃戦に持ち込むことで、バシリオはまさかの15回判定勝ちを収め、二階級制覇を達成しました。

翌1958年3月25日の再戦では、ロビンソンとの壮絶な打撃戦の中で、左目をカットされ、形勢が逆転し、再び判定負けを喫しました。

その後、1959年にはロビンソンが剥奪されたNBA世界ミドル級王座を賭けたジーン・フルマーとの対戦で14回TKO負け、続く1960年の再挑戦でも12回TKOにより敗れました。

バシリオの挑戦は続き、1961年4月22日にはポール・ペンダーに15回判定負けを喫し、王座返り咲きの夢は叶いませんでした。

引退後と死去

プロボクサーとしての道を歩んだバシリオは、彼の情熱とカリスマ性により、多くのファンの心に残る選手となりました。数々の名勝負を繰り広げた彼の戦歴は、ボクシング史においても重要な位置を占めています。

カーメン・バシリオは、2012年11月7日に肺炎の合併症でロチェスター総合病院にて85歳で亡くなりました。彼のボクシングのスタイルや精神は、今なお多くの人々に影響を与え続けています。彼の通算戦績は、56勝（27KO）、16敗、7引分けという輝かしいものでした。

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