カールグスタフ (無反動砲)

カールグスタフ84mm無反動砲

カールグスタフ84mm無反動砲（Carl Gustaf 84 mm recoilless rifle）は、スウェーデンで開発された大口径の無反動砲であり、多目的に利用される兵器です。この砲は、第二次世界大戦の中での戦車に対抗するための資源として開発され、1940年代の実験的研究から始まりました。最初に開発されたのは20mm口径の対戦車ライフルであり、良好な成績を収めましたが、強力なT-34やパンター戦車に対してはその威力が不足していると判断されました。そのため、大口径化が進み、最終的には84mmの口径が採用されることとなりました。

1948年に最初の量産型であるM1が配備され、1963年に小改良型のM2が導入。続いて、軽量化されたM3やM4も市場に登場するなど、時代と共に改良が重ねられてきました。これらの改良には、重量を減らし運用しやすさを向上させることが含まれています。

設計

カールグスタフは、その頑丈な設計で知られており、過酷な条件でも信頼性を持っています。砲身にはライフリングが施され、後方にはガスを噴出させるための円錐形のベンチュリが装備されており、これによって発射時の反動を軽減します。また、M3からは素材にアルミニウムや炭素繊維、エポキシ樹脂を使用することで軽量化が図られ、材料の選定も進められました。また、M4ではピカティニーレールの装備や照準器へのケーブル追加など、さらなる機能向上が見られます。

装填方式は後装式で、手動で弾薬を装填し、引き金を引くことで発射します。M3以降では、閉鎖機の操作が簡略化され、よりスムーズに発射準備ができます。照準器も充実しており、通常の見え方の他に、夜間に対応する照明機能も整っています。

使用弾薬

カールグスタフには、さまざまな種類の弾薬が用意されています。例えば、502は多目的榴弾で、瞬時に爆発する対戦車榴弾として動作させることができ、またHE弾としても使用されます。また、545の照明弾は300メートルから2,100メートルの範囲を照らすことができる優れた性能を持っています。HEAT弾は、低く伸びた弾道を持ち700メートルの範囲に対応し、貫通力は400ミリ以上とされています。

採用国

カールグスタフは、アメリカ、イギリス、日本など多くの国で採用されています。アメリカでは特殊部隊に多用途兵器として取り入れられ、イギリス陸軍においても実戦での使用が確認されています。日本陸上自衛隊も昭和53年から導入を始め、現在でも広く用いられています。その活躍は多岐にわたり、各国の軍事活動において不可欠な存在となっています。

このように、カールグスタフは優れた設計と多様な弾薬を持ち、その高い信頼性や性能から、現在も多くの国で現役の武器として使用されています。

もう一度検索