カール・サンドバーグ

カール・サンドバーグ：アメリカの詩と社会を紡いだ作家

カール・サンドバーグ（1878年1月6日 - 1967年7月22日）は、20世紀のアメリカ文学を代表する詩人、作家、編集者です。スウェーデン移民の血を引き、その多様な才能と社会への深い眼差しで、アメリカの詩と文化に大きな足跡を残しました。

生涯：多様な経験が育んだ視点

サンドバーグはイリノイ州ゲイルスバーグで、スウェーデンからの移民の子として生まれました。父親は鍛冶屋であり、鉄道工夫としても働く労働者でした。13歳で学校を中退した後、様々な職を転々とします。画家として働いた時期もありました。米西戦争には志願兵として参加し、プエルトリコ上陸作戦に参加しています。故郷のロンバード大学に進学するも、1903年に退学。その後、ミルウォーキーで社会民主党に入党し、社会主義市長の秘書を務めました。この頃、写真家エドワード・スタイケンの妹であるリリアン・スタイケンと出会い、後に結婚しています。

1908年にリリアンと結婚したサンドバーグは、3人の娘をもうけます。第一次世界大戦中は従軍記者として活動し、戦後の1912年から1928年までシカゴとその近郊に居住。「シカゴ・デイリー・ニュース」などの記者として活躍しました。1904年には最初の詩集を出版していますが、1916年の詩集『シカゴ詩集』で一躍有名になりました。

作品：アメリカの魂を描き出す

サンドバーグは、「シカゴ・ルネッサンス」の重要な担い手の一人として、20世紀初頭の文学界に大きな影響を与えました。彼の作品は、中西部の労働者階級の言葉を巧みに用い、アメリカ社会の現実を力強く描き出しています。1919年の「シカゴ人種暴動」や、1936年の「人々に、はい」といった作品には、社会に対する彼の強いメッセージが込められています。また、彼はアメリカのフォークソングの収集にも尽力し、「アメリカ歌集」（1927年）や「ニューアメリカン歌集」（1950年）を編纂しました。

サンドバーグの代表作として知られるのが、エイブラハム・リンカーンの伝記です。6巻に及ぶ大作で、リンカーンの生涯を詳細に描き出し、ピューリッツァー賞を受賞しました。また、子ども向けの物語「ロータバガ・ストーリーズ」は、アメリカ中西部を舞台にしたユーモラスな作品として、広く親しまれています。

多岐にわたる活動

サンドバーグは、詩作や執筆活動だけでなく、映画やテレビの脚本も手掛けています。義理の兄であるエドワード・スタイケンが企画した写真展「人間家族」のカタログに序文を寄稿するなど、幅広い分野で才能を発揮しました。

1928年にミシガン州へ転居。1945年以降はノースカロライナ州の“コネマラ”で執筆活動に専念しました。コネマラは現在、アメリカ合衆国国立史跡に指定されています。

サンドバーグの作品は、アメリカの歴史と文化、そして人間の尊厳を深く追求したものであり、今もなお多くの人々に感動を与え続けています。

主な作品：

シカゴ詩集 (1916)
コーンハスカーズ (1918)
ロータバガ・ストーリーズ (1920)
リンカーン伝（大草原の時代、南北戦争）(1926, 1939)
アメリカ歌集 (1927)
人民、はい (1936)
* リメンバランス・ロック (1948)

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