カール・フォガティ

カール・フォガティ：スーパーバイク界のレジェンド

カール・ジョージ・フォガティ、愛称「フォギー」は、1965年7月1日、イギリスのランカシャー州ブラックバーンに生まれました。スーパーバイク世界選手権（SBK）の歴史に燦然と輝く、伝説的なレーサーの一人です。

華々しいSBKでのキャリア

1991年、ホンダチームからSBKにフル参戦し、ランキング7位でデビューを飾ります。その後、チームの撤退を経て1992年には初勝利を挙げ、着実に経験を積んでいきます。

転機となるのは1993年のドゥカティ移籍です。カワサキのスコット・ラッセルと激しいタイトル争いを展開し、11勝を挙げながらも惜しくも準優勝に終わります。しかし、この経験が後の成功の礎となります。

1994年、念願のSBKワールドチャンピオンの座に輝きます。手首の骨折による欠場もあったものの、ラッセルやアーロン・スライトら強豪を退け、頂点に立ちました。翌1995年も圧倒的な強さで2連覇を達成します。

その後、ホンダ、再びドゥカティとチームを移籍しながらも、1998年、1999年とさらに2度のチャンピオンに輝きます。特に1999年は、2位のコーリン・エドワーズに128ポイントの大差をつける圧勝でした。

2000年、フィリップアイランドでの転倒事故により、肩の重傷を負い、惜しまれつつ現役を引退します。彼の後継者として、トロイ・ベイリスがドゥカティに3度のタイトルをもたらすことになります。2002年には、ドゥカティからフォガティの功績を称えた限定モデル「モンスター・S4フォガティ」が発売されました。

SBK以外の活躍

フォガティの才能はSBKだけにとどまりません。キャリア初期にはフォーミュラTT世界選手権で3連覇を達成。マン島TTレースでも3度の総合優勝を誇ります。1992年にはヤマハマシンで当時のラップレコードを樹立し、これは7年間破られませんでした。

ロードレース世界選手権にはスポット参戦していましたが、1990年のスウェーデンGPでは6位入賞という好成績を残しています。また、世界耐久選手権にも参戦し、ル・マン24時間耐久ロードレースでは総合優勝、鈴鹿8時間耐久ロードレースでもシリーズチャンピオンを獲得しました。

アメリカンスーパーバイクレースであるデイトナ200マイルレースにも参戦。レースをリードしていましたが、転倒とイエローフラッグによるセーフティーカー導入で優勝を逃しました。

引退後

引退後もモータースポーツ界に貢献し続けました。2002年には「フォギー・ペトロナス」チームを設立し、スーパーバイク世界選手権に参戦。元チームメイトのトロイ・コーサーらを擁し、2004年にはコンストラクターズランキング3位に入るなど健闘を見せました。しかし、メーカーのワークス活動再開などにより、2006年にチームは活動を終了します。

カール・フォガティは、類まれな才能と激しい闘争心、そして魅力的なパーソナリティで、多くのファンを魅了しました。スーパーバイク世界選手権の歴史に名を残すレジェンドとして、永遠に記憶されることでしょう。彼の伝説は、これからも語り継がれていきます。

もう一度検索