カール・フォン・リンネ (子)

カール・フォン・リンネ（小リンネ、Carl von Linné den yngre, Carolus Linnaeus filius、1741年1月20日 - 1783年11月1日）は、スウェーデン出身の博物学者で、分類学の基礎を築いたカール・フォン・リンネ（大リンネ）の息子として知られています。父と同名のため、区別する際には小リンネと表記されることが一般的です。

生涯と業績

小リンネは9歳という若さでウプサラ大学に入学し、父である大リンネの薫陶を受けただけでなく、ペール・レーフリング、ダニエル・ソランダー、ヨハン・ペーテル・ファルクといった父の優秀な弟子たちからも指導を受けました。これらの指導者たちは、小リンネの博物学への関心を深め、後の研究活動に大きな影響を与えました。

1763年には、父の後を継いでウプサラ大学の臨床薬理学の学長に就任しました。この役職は、小リンネが医学と植物学の両分野において高い専門知識を持っていたことを示しています。学長としての職務を通じて、小リンネは教育と研究の両面で大学に貢献しました。

大リンネの死後、小リンネは父の遺した膨大な研究資料と未完の仕事を継承しました。特に重要なのは、大リンネが『植物の種』（Species Plantarum）と『植物の属』（Genera Plantarum）で構築した植物分類体系の追補です。小リンネはこれらの研究をさらに発展させ、その成果を『植物の種 補遺』（Supplementum Plantarum）として発表しました。この補遺は、大リンネの分類体系を補完し、植物学の発展に大きく貢献しました。

小リンネは1783年に42歳という若さでこの世を去りました。彼の死後、空席となった植物学教員のポストには、カール・ツンベルクが就任しました。また、大リンネから受け継いだ貴重な植物コレクションは、小リンネの母によってイギリスの植物学者ジェームズ・エドワード・スミスに売却されました。このコレクションは、後にリンネ協会の設立に繋がり、植物学の研究に重要な役割を果たしました。


小リンネの業績は、父である大リンネの業績に隠れがちですが、彼自身もまた、植物学の発展に不可欠な貢献をした重要な人物です。父の遺した研究を継承し、さらに発展させた小リンネの努力は、後の世代の研究者にとって重要な足跡となっています。

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