カール・ボレス

カール・セオドア・ボレス：波乱に満ちた野球人生

カール・セオドア・ボレス（Carl Theodore Boles, 1934年10月31日 - 2022年4月8日）は、アメリカ合衆国アーカンソー州出身の元プロ野球選手（外野手）です。メジャーリーグと日本プロ野球で活躍し、その強打と波乱に満ちた経歴で知られています。

メジャーリーグでの挑戦

1962年、ボレスはAA級エルパソ・サンキングスで打率.337、18本塁打という目覚ましい成績を収め、同年8月にサンフランシスコ・ジャイアンツに昇格。19試合に出場しました。その後、1964年までAAA級タコマ・ジャイアンツでプレーしました。

日本プロ野球での活躍

1966年、ボレスは近鉄バファローズに入団し、日本でのキャリアをスタートさせます。土井正博、高木喬と共にクリーンナップを組み、26本塁打を記録。翌1967年には打率.305（リーグ4位）、31本塁打、76打点と大活躍しました。しかし、1968年は開幕こそ好調だったものの、5月に入ると打撃不振に陥り、出場機会が減少。シーズンオフに近鉄を戦力外となり、西鉄ライオンズへ移籍しました。

西鉄では、クリーンナップとして起用され、打率は.250前後でしたが、1969年に18本塁打、1970年に28本塁打と、持ち前の長打力を発揮しました。しかし、1969年にチームメイトから敗退行為を持ちかけられた際には、これを拒否し球団に報告。また、報道記者にチーム内に故意にエラーをする選手がいると漏らしたことがきっかけとなり、黒い霧事件の全容が明らかになりました。1970年には、試合中に東映フライヤーズの大杉勝男と乱闘を起こし、ノックアウトされるという事件もありました（その後、大杉が謝罪し和解）。

トラブルと引退

ボレスは無断で試合を欠場するなど、チーム内での評判は良くありませんでした。また、契約条件として、チーム遠征時にホテルでの宿泊を要求し、さらに高額な部屋を要求するなど、契約に関するトラブルが頻発しました。西鉄球団は、ボレスが契約金吊り上げのために引退を示唆したことを逆手に取り、1971年6月7日付で任意引退扱いにし、事実上解雇しました。

引退後と晩年

帰国後は、サンフランシスコ・ジャイアンツのスカウトを務めた後、「The Carl T. Boles Baseball 4 Kids Foundation, Inc」を設立。経済的に恵まれない子供たちのリトルリーグ参加を支援しました。2022年4月8日、87歳で亡くなりました。

詳細情報

年度別打撃成績

NPBの年度別打撃成績（例）

記録

NPB
初出場・初先発出場：1966年4月10日、対西鉄ライオンズ1回戦（平和台球場）、7番・右翼手で先発出場
初本塁打：同上、6回表に田中勉からソロ
オールスターゲーム出場：2回 （1966年、1967年）

背番号

14 （1962年）
27 （1966年 - 1968年）
29 （1969年 - 1971年）

参考文献

『日本プロ野球トレード大鑑』ベースボールマガジン社、2001年

関連項目

メジャーリーグベースボールの選手一覧 B
北米・欧州出身の日本プロ野球外国人選手一覧#アメリカ合衆国
大阪近鉄バファローズの選手一覧
埼玉西武ライオンズの選手一覧

外部リンク

選手の通算成績と情報 Baseball-Reference
選手の通算成績と情報 Fangraphs
選手の通算成績と情報 The Baseball Cube
選手の通算成績と情報 Baseball-Reference (Register)
* 個人年度別成績 C.ボレス - NPB.jp 日本野球機構

カール・ボレスの野球人生は、その強打と様々なトラブル、そして引退後の社会貢献活動によって、多くの人々の記憶に残るでしょう。

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