カール・ヴィンソン (空母)

カール・ヴィンソン (USS Carl Vinson, CVN-70)

カール・ヴィンソンは、アメリカ海軍に所属する航空母艦で、ニミッツ級航空母艦の3番艦です。この艦は、第二次世界大戦前後に海軍力の強化に貢献したカール・ヴィンソン下院議員の名にちなんで名付けられました。特筆すべきは、彼の名前が生存中の人物に基づいて命名された最初の艦であるという点です。

艦歴

カール・ヴィンソンの建造は1974年にバージニア州のニューポート・ニューズ造船所で始まり、1975年に起工されました。1982年に正式に就役し、その後は整調航海を経て1983年にはカリフォルニア州アラメダを母港にします。同年の10月には、初めての海外寄港として長崎県佐世保に立ち寄りました。

以降、1984年にはリムパック'84に参加し、10月には最初の海外配備を行いました。1985年の初頭には107日間をインド洋で過ごし、1986年には複数の演習に参加。再びベーリング海へ航行し、1988年にはペルシア湾でアメリカの商船を護衛しました。

1990年代には、カール・ヴィンソンは多くの重要な配備とオーバーホールを実施。1990年には5回目の配備を行い、ハワイや日本、フィリピンなどを訪れました。1994年にはペルシア湾でのサザン・ウォッチ作戦に従事し、1995年にはドキュメンタリー「Carrier: Fortress at Sea」が放送され、その艦上の活動が記録されました。

その後も、カール・ヴィンソンは様々な演習や任務に参加し続けました。1996年、1997年には再びペルシア湾へ向かい、続いてリムパック'98やデザート・フォックス作戦にも参加。1999年には大規模なオーバーホールを受け、2000年代に入ってからも何度かの重要な配備と演習を行いました。

特に、2011年5月にはアラビア海でウサーマ・ビン・ラーディンの遺体を葬送する際の儀式を艦上で実施し、軍事的な役割だけでなく、国際的な政治の場面でも重要な役割を果たしています。

2017年には朝鮮半島周辺の緊張緩和のための任務を果たし、アメリカの軍事的存在感を示しました。2021年には神奈川県の横須賀基地に入港し、最新鋭のF-35C戦闘機を搭載して日本を訪れるなど、地域の安定に貢献しています。

第2空母航空団 (CVW-2)

カール・ヴィンソンには第2空母航空団が搭載されており、複数の航空隊から構成されています。この航空団は、艦が展開する地域において空軍の任務を担い、対空・対地戦闘のほか、友軍との連携訓練も行っています。

結論

カール・ヴィンソンは、アメリカ海軍の象徴とも言える航空母艦であり、その長い歴史を通じて数多くの任務を遂行してきました。これからも世界の海で重要な役割を果たし続けることでしょう。

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