ガウ (ガンダムシリーズ)

ガウ（GAW）

ガウとは、アニメ『機動戦士ガンダム』をはじめとする『ガンダムシリーズ』に登場する、架空の航空機であり、特に宇宙世紀を舞台にした作品群において重要な役割を果たします。この機体は、ジオン公国が開発した大気圏内用の大型輸送機兼爆撃機として設定されています。

機体解説

ガウは、登場当初はシリーズ最大の航空機として位置づけられていました。熱核反応炉を搭載し、その電力によって動作する熱核ジェットエンジンが18基設置されているため、航続距離はほぼ無限と言われています。しかし、機体がコロニー内のシミュレーションだけで設計された影響から、ドップと同じく揚力を単独で確保することができず、全速での飛行時には下方からのジェット噴射によって揚力の30%を稼いでいるという実情があります。

漫画『機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還』では、ガウの使用が「年代物の燃費食らい」と評されることもあり、公式百科事典ではその航続能力が初期の計画段階での過大評価であると扱われています。

この機体は陸上での移動能力に欠けるモビルスーツを運用するために設計され、胴体部にはモビルスーツを3機（または4機）搭載でき、両翼にはドップ戦闘機を4機ずつ装備できる仕様です。その威容から「攻撃空母」とも称され、重装備として砲手が搭乗する連装メガ粒子砲を3基装備しており、街中での絨毯爆撃を行うことも可能です。特に南米の連邦軍総司令部ジャブローでは、「定期便」と揶揄されるほど頻繁に爆撃が行われました。オデッサ戦でもこの機体は多数投入されたのです。

ガウは構造上、方向転換には垂直尾翼のみが利用されるため、機動性は非常に低く、前方のモビルスーツ発進口の設計上、降下時には時速約100kmと遅い速度に減速しなければならず、これがガウを連邦軍にとって良い標的にしてしまいました。特にジャブロー強襲作戦では、護衛用のドップ部隊が周囲を飛行する中、空対地ミサイルを装備し、ミサイル攻撃を行っての作戦が展開されました。

さらに、ガウには宇宙往還機の母艦としての機能も備わっています。大気圏突入カプセル「コムサイ」を収容し、ブースターなしで弾道飛行を行うことも可能です。このことにより、コムサイの生存率が向上したとされます。ただし、バリエーションが存在することも確認されており、装備や仕様によって異なるものがあるとも言われています。

劇中での活躍

ガウは『機動戦士ガンダム』第6話でガルマ・ザビの旗艦として登場し、その後のエピソードでも様々な形で見られます。第11話では、ガウが残存した3隻のみでホワイトベースを追撃さい中、最終的にはガンダムらの攻撃を受けて撃沈される運命にあります。また、オデッサ作戦では、数多くのガウがジャブロー攻撃を行うために出撃し、モビルスーツを降下させる様子が描かれました。

その他にも、一年戦争を題材にした作品では積極的に登場しており、OVAや小説版でも異なる環境下におけるガウの活動が描写されています。ただし、一年戦争以降を舞台とする作品では、その登場は限られています。

ガウ改

『ガンダム新体験 グリーンダイバーズ』内では、地球連邦軍の大気圏内用大型輸送機「ガウ改」が登場します。この機体は、ジオン公国のガウのデザインを受け継ぎつつも、形状はガルダに近いものになっています。また、小説『ADVANCE OF Ζ 刻に抗いし者』の中でもガウ改の存在が確認されています。

備考

ガウの型式番号に関する設定絞り込みが行われており、個人のウェブサイトでも非公式な設定が流布された経緯がありますが、雑誌にも登場していることから、一部が公式設定として取り入れられていると考えられます。

ガウは、ジオン公国の技術力を象徴する重要な兵器であり、様々な作品でその独特なデザインと機能性が評価されています。

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