ガスペ半島

ガスペ半島の概要

ガスペ半島（Gaspé Peninsula）は、カナダ・ケベック州の東部に位置し、セントローレンス川の河口南岸に広がる半島です。その名は、先住民ミクマク族の言葉で「地の果て」を意味する「ゲスペグ」に由来します。半島は南西から北東へ伸び、南はシャルール湾とレスティグーシュ川を隔ててニューブランズウィック州と接しています。行政的には、マドレーヌ諸島とともにケベック州のガスペジー・マドレーヌ諸島地域を形成しています。

歴史と文化

1534年、探検家ジャック・カルティエがガスペ半島の東端に到達し、この地からフランスのカナダ植民地化が始まりました。現在、住民の多くはフランス語を第一言語とするケベック人です。主要な町はガスペで、半島の歴史と文化の中心地となっています。

地形と自然

ガスペ半島は丘陵や山が多く、アパラチア山脈の北東の延長上に位置します。半島を縦断するインターナショナル・アパラチアン・トレイルは、ハイカーにとって魅力的なルートです。また、カナダ国道132号線が半島を周回しており、海岸沿いと内陸部を結ぶルートがあります。半島の北東端にはフォリヨン国立公園があり、深い森、砂丘、断崖絶壁など、変化に富んだ景観が楽しめます。さらに、タイセイヨウサケが遡上する渓流が多く、北米有数の釣りスポットとしても知られています。

内陸部の探訪

国道198号線は、半島の北部海岸から内陸部へと続いています。この道は森林地帯を抜け、多くの川を渡り、標高660mに達します。かつて銅鉱山町として栄えたマードックヴィルは、現在では風力発電によるエネルギー供給に力を入れています。この地域には数多くの風力発電機が設置され、世界有数の発電量を誇っています。マードックヴィルからは、ヨーク川に沿って国道198号線が下り、半島の東端にあるガスペの町へと繋がっています。

南岸部の文化

レスティグーシュとゲスガペジアグの町には、ミクマク族の大きな保留地と居住地があります。ガスペ半島の南岸部には、かつてイギリス系住民が多く住んでいましたが、現在ではその名残をとどめる小さな町がシャルール湾沿いに点在しています。特に、ニュー・リッチモンドとニュー・カーライルには、活発な英語話者のコミュニティが存在します。ニュー・リッチモンドのウィレット・ポイントには、アメリカ独立戦争後にイギリス領北アメリカへ移住した王党派をテーマとした村落「ル・ヴィラージュ・ロワイヤリスト」が再現され、歴史を偲ぶことができます。また、カールトン・シュル・メール近郊には、デボン紀の化石が豊富に産出するミグアシャ国立公園があり、世界遺産に登録されています。

菱ニッケル鉱

ガスペ半島で発見された希少な炭酸ニッケルの鉱物である菱ニッケル鉱（Gaspéite）は、この地名にちなんで名付けられました。

まとめ

ガスペ半島は、その豊かな自然、歴史、文化、そして先住民の伝統が融合した魅力的な場所です。変化に富んだ地形、豊富な動植物、そして独特の歴史的背景は、訪れる人々を魅了してやみません。

外部リンク

Info Gaspésie
Gaspesie.com
* GoGaspe

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