ガズィアンテプ・トラム

トルコ・ガズィアンテプの路面電車：ガズィアンテプ・トラム

ガズィアンテプ・トラムは、トルコ南東部の歴史都市ガズィアンテプを走る路面電車（ライトレール）です。2006年に策定された都市交通計画に基づき、段階的な建設を経て2011年に最初の区間が開通しました。現在では、市街地を網羅する3系統が運行され、市民の日常生活に欠かせない公共交通機関として重要な役割を担っています。

建設と路線の拡大

ガズィアンテプ・トラムの建設は、ガズィアンテプ駅前広場からブルスジャンクションまでの9.5kmを最初の段階として、2008年から2011年にかけて行われました。その後、段階的に路線を延伸し、2012年と2014年には新たな区間が開通しました。2016年には、利用客増加による混雑緩和のため、線路改良や停留所の延長工事が行われ、アッケント方面への路線延伸も実現しました。

当初はガズィアンテプ都市間交通計画・鉄道運営部門が運営していましたが、2016年6月1日からはガズィアンテプ交通会社（Gaziantep Ulaşım A.Ş.、通称ガズィルアス）に移管され、現在も同社によって運行されています。ガズィルアスは、路線バスなどの他の公共交通機関も運営しており、ガズィアンテプカードという非接触式ICカードによる運賃支払いシステムを導入しています。トラムの基本運賃は2.855トルコリラです。

車両

ガズィアンテプ・トラムで使用されている車両は、全て他国の中古車両です。

PT8型車両： ドイツのフランクフルト市電で使用されていた1972年製の3車体連接車です。ガズィアンテプでの運用に先立ち、ベルリンで前面形状などの大規模な改造工事が施されました。2010年と2013年の2度に渡り譲渡され、現在25両が運行されています。

TFS型車両： フランスのルーアントラムで使用されていた1994年製の3車体連接式超低床電車（部分超低床電車）です。2012年に導入されましたが、路線延伸が進むまで長期に渡り保管されていた後、順次営業運転に投入され、現在は31両が運行されています。

これらの車両は、ガズィアンテプの街並みに溶け込み、環境に配慮した公共交通機関として市民に親しまれています。

運行と将来展望

ガズィアンテプ・トラムは、3系統の路線によって、市中心部から郊外までを結んでいます。今後、更なる路線延伸や車両更新など、更なる発展が期待されています。また、ガズィアンテプカードの利用促進や、バリアフリー化の推進なども課題となっています。

まとめ

ガズィアンテプ・トラムは、段階的な建設と路線拡大を経て、現在ではガズィアンテプ市民にとって重要な交通手段となっています。中古車両の導入によるコスト削減や、非接触式ICカードの導入による利便性の向上など、持続可能な公共交通システムの構築を目指した取り組みは、他の都市の参考にもなるでしょう。今後の更なる発展と、市民生活への貢献が期待されます。

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