ガゼッタ・デロ・スポルト

イタリアを代表するスポーツ新聞：ガゼッタ・デロ・スポルト

1896年創刊の『ガゼッタ・デロ・スポルト』は、イタリアにおけるスポーツ報道の雄として、長年にわたりその地位を確立しています。特徴的なピンク色の紙面は、同紙が主催する自転車ロードレース『ジロ・デ・イタリア』のジャージカラー、マリア・ローザにも反映されており、イタリアのスポーツ文化に深く根付いている様子がうかがえます。

同紙の発行部数は、毎日40万部、読者数は300万人を超え、特に週末のスポーツイベントを掲載する月曜日はさらに発行部数が増加します。土曜日には付録の週刊誌『スポーツウィーク』も付いており、読者のニーズを多角的に捉えていることが分かります。

ガゼッタはあらゆるスポーツを報道しますが、その中でもサッカー報道に特に力を入れています。紙面の40ページのうち、24～28ページをサッカー関連の記事が占め、試合結果だけでなく、より感情的な、時に扇情的な内容も取り上げています。2006年のイタリアサッカー界を揺るがしたカルチョ・スキャンダルにおいても、ガゼッタの報道が大きな影響を与えたことは特筆に値します。

ミラノに拠点を置く同紙は、地元チームであるACミランとインテル・ミラノの報道に重点を置いています。これは、トリノの『トゥットスポルト』やローマの『コッリエーレ・デッロ・スポルト』といった他のイタリアのスポーツ紙も同様で、地元チームへの高い関心が窺えます。

日本では、中田英寿選手のセリエAでの活躍に伴い、ガゼッタによる選手採点（10点満点）が頻繁に取り上げられるようになり、同紙の名前が広く知られるようになりました。1998年以前は10点満点の選手はいませんでしたが、最高点はディエゴ・マラドーナが獲得した9点でした。1998年にアレッシオ・スカルピが初めて10点満点を獲得しましたが、これはサッカーのプレー以外の評価でした。また、2006年FIFAワールドカップでイタリア代表が優勝した際には、マルチェロ・リッピ監督、ジャンルイジ・ブッフォン選手、ファビオ・カンナヴァーロ選手らが10点満点を獲得しましたが、これは優勝チームへの配慮が含まれていると考えられます。

純粋にプレー内容だけで10点満点を獲得したのは、2000年5月に行われたUEFAチャンピオンズリーグ進出をかけたプレーオフ、インテルナツィオナーレ・[[ミラノ]]対パルマFC戦において、先制点と決勝点を決めたロベルト・バッジョ選手ただ一人です。

このように、ガゼッタ・デロ・スポルトは、単なるスポーツニュースの提供にとどまらず、イタリアのスポーツ文化を形成する上で重要な役割を果たし、世界中の人々にも影響を与え続けていると言えるでしょう。その歴史、影響力、そして独特の視点を通して、イタリアのスポーツシーンを深く理解するための重要な媒体となっています。

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